初めまして、大学2年の鈴木夏美です。衛星打ち上げのニュースにうきうきしたり、ブラックホールの本を読んだり、風のきもちいい夜は夜空を眺めたりと、宇宙に関するいろいろなことが好きです。
TELSTERには星を語れる仲間が欲しくて、入りました。

彗星って知ってる?



“すいせい”をご存知ですか?“水星”ではなく、“彗星”です。ほうき星、とも呼ばれます。ハレー彗星やアイソン彗星、なんて聞いたことありませんか?
彗星は何十年周期で地球に接近する天体です。彗星は氷や二酸化炭素、アンモニア、メタン、そして岩石や塵で構成されています。そのため、汚れた雪玉と呼ばれることも。もっといい呼び方は無かったのでしょうか…
そんな呼び方とは裏腹に、太陽に近づくと2本の尾をひき、美しい姿で観測されます。



©️NASA マックノート彗星 2013.11.17 オーストラリアで撮影

流れ星じゃないよ 彗星とは


写真を見ると一見流れ星のようにも見えますが、一瞬だけ見える流れ星に対して、彗星は数日間夜空に現れます。
後ろに流れているものは尾と呼ばれ、太陽風とそれによる磁場、太陽の紫外線など、太陽のエネルギーを受けて吹き飛ばされた彗星の核のガスと塵です。そのため尾は太陽と逆方向に伸びます。

ハレー彗星大事件


ハレー彗星は76年の周期で太陽に近づいてくる彗星です。1910年、地球にハレー彗星が接近したときのこと。当時はまだ、天文学に関する知識が乏しかったため、「地球に彗星が接近すると空気がなくなってしまう!」「尾に含まれるシアンで人類が滅びる!」といったデマが流れました。それにより人々は息を止める練習をしたり、最期だからとパーティしたりと、世間は大騒ぎとなりました。しかし、いざ彗星が接近してもなにも起こらなかったのでした。

タイムカプセル? 〜彗星の故郷より〜


彗星は”原始太陽系時代の星”であるという説があります。それは彗星の故郷、「オールトの雲」と「カイパーベルト」の成り立ちに関係しています。
太陽系は始め、ガスと塵のもやもやした集まりでした。中心に太陽ができると、一部のガスと塵は太陽の周りで円盤となりました。その円盤はのちに太陽系の惑星、水〜海や小惑星、冥王星などの太陽系外縁天体となりました。

一方、太陽にも円盤にもならなかったガスと塵は、オールトの雲とカイパーベルトを形成しました。オールトの雲とカイパーベルトは海王星よりもずっと外側にある天体群の名前です。そこにある星は、惑星たちがまだ円盤だった時代である原始太陽系時代のまま残っていると言われています。
そこからやってくると考えられているのが、彗星です。彗星を知ることは、原始太陽系時代を知ることにつながるかもしれません。

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©︎NASA オールトの雲、カイパーベルト

2016年現在見える彗星

彗星の軌道は楕円形で、彗星によって周期は様々。一度太陽に近づいて、もう二度と帰ってこないというものもあります。
パンスターズ彗星が、2016年6月未明から明け方、南東から南の低い位置に6等星ほどで見える予想です。街明かりのない暗い場所で、双眼鏡を使って見える可能性があります。

彗星は空に見えるかどうかの予測が難しく、肉眼ではっきり見える明るさになることはあまりありません。そんな特別な星だからこそ、見える時の感動は大きなものです。明るい彗星が現れたら、ぜひ空を仰いで観測してみてください。




参考図書

(1994)『ジュニア自然図鑑:宇宙 太陽系・銀河』 監修 磯部 琇三、実業之日本社

(2010)『最新天文百科-宇宙・惑星・生命をつなぐサイエンス-』監訳者 有本 信雄、丸善

藤井 旭(2000)『VISIBLE宇宙大全』作品社

ポール・マーディン(2012)『VISIBLE宇宙大全』作品社

縣秀彦(2013)『彗星探検』二見書房