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大学生が作るハイブリッドロケット

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皆さん!突然ですが、大学生でも空高く飛翔するロケットを製作できることをご存知ですか?
実は、東海大学、九州大学、東北大学など様々な大学の学生がサークルまたは、プロジェクトとしてロケットを作っています。
今回は多数存在する学生団体のうちの一つである、徳島大学ロケットプロジェクト(以下TRP)にフォーカスします。

ハイブリッドロケットとは?
一般に知られているロケットの種類は、固体燃料ロケットと液体燃料ロケットです。
しかし、そのどちらにも欠点があります。
固体燃料ロケットは1度点火すると燃料がなくなるまで、燃焼を止められないので学生が扱うには大変危険です。
もう一方の液体燃料ロケットは構造が複雑なため、学生団体での製作・運用・管理は非常に困難です。


そこで固体燃料と液体燃料の欠点を克服するために編み出されたのがハイブリッドロケットです。
現在ではロケットを製作するほぼ全ての学生団体がこのロケットを採用しています。

各団体が目指すのは、到達高度100km、つまり宇宙空間への到達です。
ハイブリッドロケットについて詳しく知りたい方はこちらの記事を是非ご覧ください。
ロケットの今と未来(http://spacemgz-telstar.com/3573)

徳島大学ロケットプロジェクト TRP
TRPは結成から3年目とまだ新しい団体ですが、エンジンを除くほぼ全ての部品を自主開発しています。
彼らの最初の目標は到達高度1kmです。


今までに2機のロケットを打ち上げており、1機目はパラシュートを開くタイミングをタイマーで制御していたのですが、到達高度がシミュレーションより低くなってしまい、落下するまでの間にパラシュートが開かず失敗となってしまいました。

2機目では1機目の問題を解消するため、タイマーを必要としない加速度センサー(力を検知するセンサー)でのパラシュート解放機構を開発しました。
しかし、上手く作動せず、弾道落下となってしまいました。

彼らのパラシュートに対する熱意を聞いてみました。
『私たちTRPは、未だにハイブリッドロケットの安全な回収に成功していません。
宇宙兄弟の名言である「パラシュートは愛で開く」を信じて、38人で毎日楽しく真面目に製作を行なっています。
3度目の挑戦となる今年、私たちの愛が詰まったロケットが無事に回収されるのか、乞うご期待です!絶対パラシュートを開かせます!!』
今後の活躍に期待ですね。



また、子供向けに水ロケット教室を開催し地域貢献や、バルーンで高度約3.5kmの気圧測定および地球の撮影なども行っています。
この活動は徳島新聞や四国放送「ゴジカル」等のメディアに取り上げられ、平成27年度の学生表彰を受賞しました。



存続の危機?!
成長が楽しみなTRPですが、規定改定により、GSE(ロケットを打ち上げるための地上装置)の借用が禁止されました。
つまり、現在TRPは存続の危機にあるのです。

そこで、TRPはクラウドファンディング(※1)を利用し、GSEの資金を集めようとしています。
宇宙開発は今やJAXAなどの国だけでなく、我々民間が支えていくものとなっています。
皆さんの力で宇宙開発を進めて行きませんか。

募金してくださった方には、大型のモデルロケットやオリジナルTシャツ、機体の命名権など様々な特典があるようです。
詳細はこちら。

(※1)クラウドファンディング・・・インターネットを通じて不特定多数の人から資金の出資や協力を募るシステム

TRPからのメッセージ
我々が製作するロケットは、まだまだ宇宙には程遠いです。しかし、ロケットに対する想い、宇宙に対する想いは誰にも負けないくらい詰め込んでいます。
幼い頃宇宙飛行士を目指していた方、空を見るのが好きな方、モノづくりが好きな方、宇宙モノのSF映画が好きな方、などなど、一度でも宇宙を夢見たことがあるそこのあなた!!
我々とともにもう一度宇宙を目指してみませんか。
皆様のご支援、お待ちしております。

徳島大学ロケットプロジェクトクラウドファンディング

記者 : 兼松 翼 (Tsubasa Kanematsu)
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