株式会社ヤクルト本社と国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、宇宙飛行士がプロバイオティクスを継続して摂取する実験を国際宇宙ステーション(ISS)で開始すると発表しました。プロバイオティクスとは、腸内環境を改善し、人などに有益な効果を持つ生きた微生物のことで、宇宙飛行士の健康状態の維持に役立つことが期待されています。

ISS

乳酸菌シロタ株の継続接種実験が行われる国際宇宙ステーション(ISS)
Image Credit:JAXA

有人ミッションを成功させるためには、宇宙飛行士が心身の健康状態を維持し、パフォーマンスを最大限発揮する必要があります。
しかし、宇宙飛行士が活動する宇宙空間は、微小重力、宇宙放射線、ISSの閉鎖空間など、地球には無い厳しい環境です。そのような環境下での免疫機能低下、骨密度の低下、筋萎縮などの人体リスクが報告され、問題となっています。

これらの問題の解決に、プロバイオティクスが持つ効果が大きく貢献するのではないかと期待されています。
その一種である乳酸菌シロタ株は、腸内の善玉菌を助けて腸内環境のバランスを調整して体調を良くしたり、「ナチュラル・キラー細胞」を活性化して人の免疫機能を向上させたりする効果を持っています。この乳酸菌を宇宙食などに含ませることによって、食べるだけで宇宙飛行士の健康維持に役立つのではないかと考えられているのです。

ヤクルトとJAXAは、この乳酸菌シロタ株の効果を宇宙空間でも発揮させるための共同研究を2014年から行ってきました。地上研究や乳酸菌を宇宙空間に持っていくための開発が完了したため、今回ついにISSへ研究のステージを移すことになったのです。ISSでは、乳酸菌シロタ株の継続的な摂取実験によって、本当に宇宙空間でその効果が発揮されるのか検証されます。

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ヤクルト400(左)とそれにに含まれる乳酸菌シロタ株を宇宙用にカプセル化したもの(右)
Image Credit:ヤクルト本社(左),JAXA(右)

将来、宇宙に手軽に行ける時代になった時、人々の健康を守ってくれる大事な役割になるかもしれないプロバイオティクス。その研究の行方に注目です。