JAXAは、新型H3ロケットの大型液体エンジンであるLE-9の燃焼試験を行っています。H3ロケットは、現在運用されているH2Aロケットの後続機として開発されており、2020年に試験機1号機の運用が予定されています。

LE-9は、H3ロケットの二段あるエンジンのうちの第一段エンジンに使用されます。
現在運用中のH2Aロケットに用いられているLE-7Aエンジンは、二段燃焼という方式を用いています。二段燃焼は、副燃焼室でタービン駆動ガスを生成し、そのガスを主燃焼室で燃焼させます。これにより高い推力が得られますが、高温高圧のガスが配管内に残るため爆発しやすく危険でした。この状況を打開するのが、JAXAが10年に渡り研究開発を行ったLE-Xというエンジンです。LE-Xには「エキスパンダブリード」という方式が採用されています。この方式では燃焼室を冷却したガスでタービンを駆動し、駆動後のガスは排気されます。これにより、高温高圧のガスが配管内に残らなくなり安全性が高まりました。また副燃焼室がないことで構造もシンプルになり、制御も容易になりました。さらに、その開発期間と開発コストはLE-7Aの半分を目指して開発されました。LE-9エンジンには、このLE-Xの開発で得られた技術が活かされています。

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日本のロケットエンジン開発の流れ(Image Credit:JAXA/文部科学省)

LE-9エンジンが低コストで高い信頼性を目指しているように、H3ロケットは従来のロケットよりも低いコストでの運用を目指して開発されています。打ち上げコストはH2Aロケットの約半分に削減する予定で、組み立て工程や射場準備期間なども半分に抑えることで受注から打ち上げまでの期間も短縮されました。これによりニーズに合わせた迅速な打ち上げが可能になります。

燃焼試験の他にも製造方法などの試験を行い、終了後H3ロケット試験機1号機に搭載されます。2020年以降、20年間に渡って毎年約6機の運用が予定されています。