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宇宙食について その6:宇宙食ができるまで

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 国際宇宙ステーションでの長期滞在中、日夜たくさんの業務に追われ、体力と精神力を消費している宇宙飛行士にとって、一日の中で食事が一番の楽しみと言えるでしょう。現在国際宇宙ステーションでは、1日3回の食事と1回のおやつを食べることになっています。そこで食べられる宇宙食は、NASAのジョンソン宇宙センターのフードラボで必ず審査を受けますが、ここの検査をパスできる食品であれば、宇宙飛行士は自分好みの食品を宇宙に持っていけることになります。そこで宇宙飛行士は、ミッションで宇宙に飛び立つかなり前の段階から試食会を行い、自分が宇宙で食べたい食品をメニューリストから選択し、栄養学的評価を経てメニューを決定します。この一連の流れは、ただ食品を選定するだけでなく、宇宙で食べる食品に慣れておく意味でも重要で、最終的な個人メニューができるまでは何ヶ月も要します。こうして栄養バランスを考慮した上で、宇宙飛行士の趣味嗜好を反映したメニューが完成するわけです。

 

 1回の食事の内容は、前述の通り複数の食品で構成されています。一品ものにせずに、各品目の量を抑えて多くの種類の食品を食べることにより、全体として栄養バランスがとれるようになっています。国際宇宙ステーション開始当初は6日ごとにメニューを繰り返していましたが、その後そのサイクルは8日ごとになり、Expedition 8からは10日ごとになっています。短期間でメニューが繰り返されると飽きるという宇宙飛行士の意見がありますが、今後更に宇宙食メニューが増えればそのサイクルは延び、その問題は改善されていくと思われます。

 

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宇宙食記者発表会の記念写真の様子

© 朝日インタラクティブ株式会社

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