第30回 月をいつ見るか その2

皆さんこんばんは。今月2回目の満月の夜がやってきました。

せっかくの1か月に2回の満月がある、ということで今月は2回に分けた続き物の記事を執筆させていただいています。

前回のあらすじを3行でまとめると

 

・お月見=満月のイメージってあるよね!

・でも月のクレーターなどの迫力ある立体的な地形を見たいなら、実は満月の時期が最適というわけでもない!

・じゃあいつなのか?ぜひここから1か月見比べてみよう!

 

といった流れでしたが、みなさん様々な形の月を見比べていただけたでしょうか?

 

さて、月の地形を立体的に観察するにはいつごろの月齢がいいのか、ということを考えるために、モノを立体的に見ることについて考えてみましょう。

 

みなさんは絵を描くときに、より絵を立体的に見せるためにはどうしますか?いろいろ手法はあると思いますが、1つ「影をつける」という手があると思います。影や明暗の存在は、モノをより立体的に見せてくれます。

 

つまり、月の地形においても、月のクレーターや山脈の影が長く伸びている方がより地形が迫力ある立体的な姿になるわけです。

満月の時は、月の真正面、月面上の視点だと頭の真上から太陽が当たります。すると影は短く、目立たなくなります。

 

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ちょうど夏の日の昼の地上にある影のような短さですね。逆に太陽が横からあたるような状況での、朝・夕方の地上にあるような長く伸びた影だとよく目立ってくれます。

 

月面の中で太陽が横から当たっている場所は、ちょうど欠け際の部分に相当します。つまり、月の欠け際の部分こそが月面の地形がより迫力ある姿で見える場所になります。

 

つまり、見たい地形が欠け際付近に来ていればいつでもいいわけですね。

ただ、見たい地形がどこにあるかなんてわからない!という方も多いと思います。

それならば、まずは月面中央~南部のクレーターや山脈が密集した地形が立体的で楽しめるかと思います。

ここが欠け際になるのは、上弦・下弦の月とその前後の数日間ですね。この頃の月齢を1つ、推しておきたいと思います。

 

下弦過ぎ

とはいえ、他の月齢では別の独特の地形が欠け際付近で存在感を放っています。

立体感が失われた満月でも、真正面から太陽光を受けて輝くいくつかの地形は美しいものです。ぜひ、太陽光の当たり方に注目しながら、双眼鏡でも何でもいいのでいろいろな時期の月を眺めてみてください。

 

それではまた、次の満月の夜に・・・

(画像はTELSTAR関西支部のメンバーが撮影したものです)

第29回 月をいつ見るか

皆さんこんばんは。今月も満月の夜がやってきました。

先月は満月が一度もありませんでした。満月から次の満月までは約29日半かかるのですが、他の月とは違って28日しかない2月のみ、一度も満月が起こらない可能性があるわけです。ただそれは可能性の話で、実際に2月に満月が起こらなくなる年は珍しいです。昨今は「スーパーブルーブラッドムーン」など珍しい月に対する造語が溢れていますので、何か「ひと月で一度も満月が起こらない」ことに対しても名前を付けたいですね。とはいえ実際の月を指すわけではないので難しい。「ブラックムーン」だと新月みたいですし…

その代わり今月は満月が2回訪れます。せっかくなのでその2回に分けて、月を観察する時期について書こうと思います。

さて、月は非常に観察しやすい天体です。大きな望遠鏡がなくても手作りキットの小さな望遠鏡でも、小さい望遠鏡がなくても手持ちの小さな双眼鏡でもゴツゴツしたクレーターの存在が確認できます。クレーターの他にも、月には長い山脈など立体的な地形がたくさんあります。それらの、より立体的で迫力ある姿を見るには、新月~満月の中でいつ頃の月を見るといいと思いますか?

一般的に「お月見」というと満月の夜のイメージがありますので、満月の時が見ごろのように思えますが、地形をより詳細に観察するとなると必ずしもそうとは限らないのです。

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画像: 月探査機かぐやの月面図

特に月の中央南寄りにはある程度の大きさを持つクレーターが密集しており、見ごろの時期に見るとその立体感と迫力に驚かされますが、満月の時に見てもその荒々しさはなかなか感じられません。

望遠鏡がなければ小さな双眼鏡でも大丈夫です。今夜の満月から次の満月記事の更新まで、ぜひいろいろな時期の月を見比べて、どのくらいの月齢のときが地形が見やすいか確かめてみてください。

次回の記事で、どの時期の月が、どうして見やすくなるかを詳しく紹介したいと思います。

ではまた、続きは次の満月の夜に。

第28回 月へ向かうPart3

皆さんこんばんは。今月も、満月の夜がやってきました。
2018年1月2回目の今日の満月は、前回の満月記事でもお話ししたように「皆既月食」です!月が地球の影にすっぽり入る「皆既」の状態が1時間17分も続きます。部分食の始まりは20時48分、南東の空を見上げてみてください。幻想的な天文ショー、是非お楽しみ下さいね!
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【HAKUTOのこれから】

さて、何度か満月記事で取り上げた、民間の開発チームによる月面探査レースGoogleLunerXPRIZE。日本はチームHAKUTOが月面ローバーSORATOを独自開発し、予選を突破、そして本選に進むことが決定していました。

しかし、HAKUTOがロケットの相乗りを予定していたインド宇宙開発機構(ISRO)の資金不足が2018年1月になって発覚。打ち上げの契約解除を発表しました。他のチームも期限の3月31日までに月に到達する見込みはなく、XPRIZE財団は、期限をもってレースを終了することなってしまいました。

ただ、HAKUTOとしての挑戦が終わったわけではありません!
月面に軟着陸しローバーSORATOを月面に走らせるミッション、また、民間としては日本初の「月周回」「月面着陸」のミッションなど、HAKUTO及びその運営母体であるispaceは、今後も民間による月面探査の実現を目指していくとしています。
HAKUTOの挑戦の継続と、さらなる月探査の発展に期待しましょう!

【2018年の月探査】
さて、ここまでは日本のHAKUTOとその今後についてお話しました。
しかし、HAKUTOはもちろんのことですが、月を目指しているのは日本だけでではありません。
例えば、インドは無人機「チャンドラヤーン2号」を打ち上げる見込みです。10年前の周回機「チャンドラヤーン1号」の後継機で、今回は探査車を着陸させるミッションを掲げています。
また、中国は無人月探査機「嫦娥(じょうが)5号」を年内に打ち上げるとのこと。月の物質を地球に持ち帰る計画で、成功すれば無人では1976年の旧ソ連以来となります。「嫦娥4号」も年内打ち上げの可能性があり、史上初となる月の裏側への無人軟着陸を目指します。
さらに、有人月計画も存在します。アメリカのスペースX社は2017年2月に月周回飛行を18年後半に実現させると発表しています。

まだまだ眠る月の謎、月探査の可能性。みなさんこれからの月探査に是非ご注目ください!

ではまた、満月の夜に。

第27回 月に魅せられる

皆さんこんばんは。今月も、満月の夜がやってきました。

遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます!2018年もよろしくお願いします。
寒さもついに本番といったところでしょうか。凍えながら駅を出ると、空ではオリオン座やぎょしゃ座など冬の星座たちがお出迎えしてくれます。
そして今日は満月。ぜひ、冬の豪華な星空と豪華な月をお楽しみください!

【2018年1月の天文イベント】
今年1月は、天文イベントが数多くあります。今回は、そのうち月のイベント2つを含んだ3つを時期の早い順に紹介しましょう。

まず1つ目は、今日1月2日の満月「スーパームーン」です。何度か紹介した通り、スーパームーンは1年で最も大きく見える月のことを言います。
地球月間の距離が最も小さくなるのは2日11時24分頃のようですが、残念ながらその時刻は日本からは観測できません…日本での見頃は、1月1日深夜から1月2日未明でした。スーパームーンを見逃してしまったというみなさん!まだ月は大きく見えます、今日の夜、月を見上げてみてください!

2つ目は、1月4日のしぶんぎ座流星群です。満月に近い時期のため、月光の影響で条件が良いところでも1時間に10数個の流星になってしまうようです。極大は明け方5時頃。皆さん、何時間か早く起きて、新年のお願いをしてみてはいかがでしょうか!

そして3つ目、1月31日の皆既月食です。
この月食は、日本全国で観察することができます。

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東南東の空で20時48分にかけ始め、21時51分に南東の空で皆既食となります。皆既食は23時08分に終わり、その後は徐々に欠けた部分が小さくなっていき、日付の変わった0時12分に、南の空で部分食が終わります。
3年ぶりの皆既月食であり、皆既食の状態が約1時間17分と大変長い上にその全行程が空の高い位置で続くため、今回の月食はかなり注目されています!(ちなみに3年前の皆既月食は12分程度でした。)
皆既食となった月は、赤黒い色に見えます。その間の月は「ブラッドムーン」とも呼ばれ、様々な神話とともに親しまれています。

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これらの3つのイベントは、天気さえ良ければ機材がなくても誰でも楽しめます。今だからこそ見ることができる天文現象、ぜひお楽しみくださいね!その際は防寒対策も忘れずに…!

ではまた、満月の夜に。

月へ向かうPart2

皆さんこんばんは。今月も、満月の夜がやってきました。
秋も深まり、だんだんと肌寒くなってきましたね。夜には、すでに豪華な冬の星たちも綺麗に見えています。オリオン座やカシオペヤ座、すばると呼ばれるプレアデス星団などは、みなさん馴染みのある星座ではないでしょうか。帰り道にぼーっと見上げるのも良し、友達や恋人や家族と話しながら眺めるのも良し、望遠鏡やカメラを使ってみるのも素敵ですね。

さて、今夜からは先月の予告通り、チームHAKUTOの応援記事としてお送りします!

まずはじめに、Google LUNAR XPRIZEのミッションについておさらいしましょう。
1.月面に純民間開発ロボット探査機を着陸させること。
2.着陸地点から500m以上移動すること。
3.高解像度の動画や静止画データを地球に送信すること。
そのGoogle LUNAR XPRIZEに日本から唯一参加したチームHAKUTOは、予選を通過し、2017年1月に発表された最終フェーズに進む5チームに選ばれました!
今夜はチームHAKUTOが運用する探査車“SORATO”の工学的魅力、工学的強さをご紹介します!

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1.超小型、軽量
宇宙への打ち上げには莫大な費用がかかります。また、それは重量にほぼ比例して上がり、予算が限られた中ではいかに軽量化するかが重要になってきます。そのためSORATOには、日本
の得意分野”小型化”の技術がふんだんに使われています。
ボディのサイドに搭載されているソーラーパネルもその1つ。充電可能なため、より長時間運用することができます。また、ボディにはCFRP(炭素繊維強化プラスチック)という軽くて強い素材を多用することで、軽量化を実現しています。

2.月の環境に耐える構造
月の昼と夜、つまり太陽の光が当たっているときと当たっていない時の表面温度差は、250度を超えます。そのため、ボディの外面を銀テフロンにするなどたくさんの工夫を凝らし、ローバーを熱から守っています。
また、月面はレゴリスと呼ばれる細かく鋭いパウダー状の砂で覆われています。その地面でスリップせずに効率よく走らせるために、ホイールは改良を重ねられています。

いかがでしたか?ここで紹介したものたちは、まだまだごく一部です。
探査車SORATOは今年の12月28日に打ち上げられます。これからのチームHAKUTOの活躍に期待しましょう!

(参考)https://team-hakuto.jp/

第25回 月へ向かう

皆さんこんばんは。今月も、満月の夜がやってきました。
9月に入り、うろこ雲の下たくさんの種類の蜻蛉が飛び交う季節になりました!秋の星座が見頃を迎え、空も澄み、天体観測をより楽しめるのではないでしょうか。

さて、今夜お話するのは、進歩する日本や世界の月面探査についてです。

【SLIM】
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(月探査情報ステーションHPより)

現在、日本の宇宙開発研究機構(JAXA)は月面着陸機「SLIM」を宇宙におくる準備の最中です。
(SLIMについての記事は満月記事第14回http://spacemgz-telstar.com/3621をご覧ください)
SLIMは以前、2019年度に小型固体燃料ロケット「イプシロン」で打ち上げる予定でしたが、効率化を図るために1年遅らせることになりました。2020年度にH2Aロケットで打ち上げられるX線天文衛星代替機との相乗りによって、50億程度の費用が抑えられることになります。
その費用が他の研究にあてられると、さらに宇宙開発は進んでいくと期待できますね!

【Google Lunar XPRIZE】
Google Lunar XPRIZEとは、XPRIZE財団によって運営されるGoogleがスポンサーについている世界初の月面探査レースです。
ミッションは3つ。
1.月面に純民間開発ロボット探査機を着陸させること。
2.着陸地点から500m以上移動すること。
3.高解像度の動画や静止画データを地球に送信すること。
メインミッションを最も早く達成したチームには2000万ドル、2番目に達成したチームには500万ドルが、また、アポロの着陸地点やその他記念すべき地点に到達したチームには、ボーナス賞金が贈られます。
日本から唯一参戦するチームHAKUTOがファイナリスト5チームのうちの1つに選ばれています!2007年9月に立ち上げられたGoogle Luner XPRIZEに2008年4月にチームエントリーしました。以来、研究・実験・改良を重ね、2013年12月エンジニアリングモデル完成、2015年10月にはプレフライトモデル3が完成、2016年8月には実際のミッションに最適化したフライトモデルデザインが発表されました。
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HAKUTO HP:https://team-hakuto.jp
このミッションにより、世界の月面開発が刺激され、さらなる技術向上が期待されています!

(HAKUTO HPより)

HAKUTOはインドのロケットの相乗りで2017年12月28日に打ち上げ予定です。私たちTELSTARはそれまでの間、満月記事でHAKUTO応援記事を連載していきます!

ではまた、満月の夜に。

参照:http://www.isas.jaxa.jp/home/slim/SLIM/toppupeji.html
https://team-hakuto.jp/index.html

第24回 月の岩石

月の岩石

皆さんこんばんは。今月も、満月の夜がやってきました。
夏も後半に入り、明け方にはもう初冬の星座である牡牛座がよく見えます。また、今週末8/13にはペルセウス座流星群が極大を迎えます。ぜひ、御覧になって下さいね!

【月の石の正体】

わたしたちに1番近い天体、月。そんな月でも、まだまだ分かっていないことがたくさんあります。今夜は、少しずつ分かってきた「月の石」の謎についてお話します。

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出典: ESA Article Images

「月の石」と聞いて、皆さんはどのようなことを思い浮かべるでしょうか?神秘的、あるいは、非現実的、遠い存在…。
実は、月の海の部分を構成する岩盤の岩石は、地球の海の岩盤と似た岩石から成っているのです。
その岩石は、「玄武岩」。地球の場合、若い頃に起こった無数の原始惑星の衝突によるエネルギーによって地表が溶け、マグマオーシャン(マグマで表面が覆い尽くされた状態)ができ、それが冷やされて玄武岩質の地殻が形成されたと言われています。
月の場合もまた、マグマオーシャンができ、それが直接冷やされることによって、玄武岩質の地殻が形成されたという説があります。
このように、地球と月の地殻には共通点が見つかるんですね。

ではここからは、地球と月の違う点について見てみましょう。
例えば、地球には月に見られない花崗(かこう)岩質地殻があるということ。これは大陸で主に見られる岩石です。プレートの沈み込み帯で水を含んだ玄武岩が高温に晒されて部分的に溶け、それが再び固まることで形成されることが実験的に知られています。地球の海溝は、そのようなメカニズムを恒常的に生み出すことができる、「花崗岩の工場」なのです。つまり、地球の大陸地殻の花崗岩は、地球特有の大量の水を持つ海と沈み込むプレートの賜物なのです!
また、月には大気がほとんどありません。地球には、十分な引力がないためです。またそれによって、岩石に含まれる揮発成分(カリウムやナトリウムなど)が宇宙へ逃げていってしまいます。月の岩石は、地球の岩石よりもそれらの割合が少なくなってしまっているのです。これが、地球と月の岩石の大きな差です。

月は、地球とは全く違うものに思えますが、似通った点も少なからずあるのですね。そう考えると、月もなんだか身近に感じませんか??今夜も、満月に思いを馳せてみてください。

ではまた、満月の夜に。

参考:Essentials of Geology 11th ed. /F.K.Lutgens E.J.Tarbuck

エジプトの月

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皆さんこんばんは。今月も、満月の夜がやってきました。
梅雨も明け始め、いよいよ夏というところですね!7月は海やBBQなど昼間の楽しみが多いですが、夜にも花火や夏の星空などたくさん楽しみがありますね。わたしは天の川の写真を撮るのが好きなので、この夏はたくさん撮りに行きたいと思います!ただ、星がよく見えるのは半月後の新月期。満月の出ている今日は、月に想いを馳せましょう。

【エジプト神話の月神】
紀元前3000年前からナイル川流域で栄えた古代エジプトの文明。キリスト教やイスラム教が広まるずっと前、古代エジプトには人々に信仰されていた神々の体系であるエジプト神話がありました。
今夜は、エジプト神話のたくさんの神々の中でも「月の神様」を3人、紹介しましょう。

1人目はトト神。数学や計量を司る学問の神です。多くの信仰を集めた神であるため、その神話も多岐にわたるのですが、その1つに月のお話があります。トト神は、太陽神であるラーから命令され、月を想像したと言われています。
また、トト神の古代エジプトでの名は「ジェフティ」でした。新年が明けてから第1の月はまた「ジェフティ月」と呼ばれ、トト神を祀る祭りもあったようです。

2人目はコンス神。ほぼ常に幼児の姿で描かれることから、自由奔放な若者のイメージを持つ神とされています。また月の神であることから、満月と三日月の頭飾りとともに描かれています。月が満ちている時は癒しの力、欠けている時は鋭い刃で邪気を祓う力を発するとされ、月の光で特定の病を癒すとともに、三日月をナイフとして振るうともされる非常に両極端な神なようです。

3人目はイアフ。月(新月)の意味を持ち、元祖「月の神」とも言われる神様です。しかし、コンス神に吸収され、その後にはコンス神・トト神に月の神の二本柱を成されてしまい、イアフは月の神の役割を奪われてしまいました。

この3人が、古代エジプトの主な月の神であると考えられています。実はこの3人、全員男性なのです。日本の月の神、月読命(ツクヨミ、ツキヨミ)も男性の神とされています。世界の神話でも、月の神は男性の神が主流となっています。

エジプト神話で有名な太陽の神、ラー。彼は、日の出のときはタマオシコガネを頭にもつケプリ、日中は隼、日の入りのときは雄羊の姿に変体します。太陽の船に乗る神のこのような絵を見たことがあるのではないでしょうか?

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月の神も同様、月の船に乗り、太陽の船が辿った航路を辿ると言われています。

日本とは少し違ったエジプトの月の神様のお話、楽しんで頂けましたでしょうか?今日の月もエジプトの月神の船によって動かされているのかもしれませんね。

ではまた、満月の夜に。

参考:エジプト神話物語 原書房

「月が生み出す力」

皆さんこんばんは。今月も、満月の夜がやってきました。梅雨入りし、天体観測には大敵の悪天候が続く季節になってきました。ただ天の川はもう見頃になりました!夜はまだ冷えるので防寒はしっかりしてくださいね!

【潮汐力】
さて、今夜お話するのは題名の通り、月が生み出す力「潮汐力」です。
「潮汐力」とは、一般的に物体間に重力が作用するとき、重力源に近い側と遠い側で異なる重力によって物体を変形させようとする力です。地球にかかる潮汐力は、太陽・月・地球が一直線に並んだとき大きくなります。つまり、満月と新月のときですね。その時、海水は大きく歪み「大潮」と呼ばれる状態になります。

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この「潮汐力」は、わたしたちの生活に様々な形で大きく関わっています。
例えば、1番目に見えて分かりやすいのは海の満ち引き(干満)です。海釣りをする人であれば、釣れる量を左右する要因の1つのため、常に気にかけているものでしょう。これは、まさに海水が潮汐力によって月の方向に引きつけられて起こる現象です。
珊瑚や魚やウミガメの産卵が満月の日に行われることも潮汐力やそれによる干満が理由の1つとなります。水面が最高のときに産卵し、水面が下がり海水が引いたときに卵を海流によって撒いてもらうためだったのです。
また、潮汐力が引き金となって起こる地震もあると言われています。プレートの沈み込みの境界で発生したM5.5以上の2027回の地震について、地球潮汐によってプレートに加わる力と地震さ発生の関係を調査したという話があります。結果、潮汐による力が断層の滑りを助ける方向に働いているときに地震の発生の頻度が高いことがある研究結果には出ているそうです。月は、地震さえも誘発するほど大きな力を持っているのですね。

【まとめ】
月と地球が引き合う力が、私たちの生活に良い影響も悪い影響も与えているんですね。それだけ、月が私たちに大きく関わっているということです。今月も、月に思いを馳せてみて下さいね!

ではまた、満月の夜に。

第21回 月の生まれかた

皆さんこんばんは。今月も、満月の夜がやってきました。すっかり春の暖かさに包まれ、心地の良い日々になりましたね。花粉や微小粒子状物質などで星が見えにくくなってしまうこともありますが、薄いフィルターのかかったような今ならではの星空も楽しんでみて下さい!

【これまでの月形成説】
さて、今夜は月のでき方についてお話したいと思います。
「月がどのようにしてできたの?」皆さん1度はこの疑問を持ったことがあると思います。“ジャイアント・インパクト説”という言葉、聞いたことはありませんか?

ジャイアント・インパクト説は、数ある月形成説の中で最も有力だとされてきました。その名の通り、大きな衝撃を与えられて月が形成された、詳しく言えば、できたばかりの原始地球に火星サイズの天体が斜めの角度で衝突し、その際に飛び散った破片が集まって月が形成されたのではないかという説です。

月形成の説を考える際、私たちはたくさんの条件を考慮しなければいけません。それらは月の特徴に基づいています。例えば、「質量が地球の100分の1もある」「地球と比べコア(核)が小さい」「回転の勢い(角運動量)が大きい」など。また「起こり得る」ことも重要です。様々な説でシミュレーション行い、あらゆる条件を最も満たしたものが“ジャイアント・インパクト説”だったのです。ただ、その説にも矛盾点はあるため、月の誕生についての研究は終わることはありませんでした。

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【月形成・新説?!】
さて、本題に移りましょう。約3ヶ月前の2017年1月、英科学誌Nature Geoscienceによって、定説を覆す論文が発表されました。

その研究結果は「月は、原始地球に小さな天体が次々と衝突したことによって形成された可能性がある」ということ。簡単に言うと、月の材料の破片たちが複数回の衝突で生み出されたという説です。幾度ものシミュレーションを重ねた結果、微惑星が衝突するごとに原始地球の周囲に残骸の輪が形成され、その後それらが合体して「小衛星」が形成されることが分かったのです。この小衛星の数々が、最終的に月を形成したと言われています。

 

【まとめ】
誰も見たことがない、月の誕生。新説が本当正しいかどうかもまた、誰にも分かりません。あなたも月を眺めてその誕生を想像してみてください。きっと、素敵な夜になりますよ。では、また満月の夜に。