月刊TELSTAR NEWS 4月号

TELSTAR宇宙情報(@telstar_news)で毎日発信している宇宙ニュースの中でも、注目度が高かった10大ツイートを紹介する『月刊TELSTAR NEWS』です。

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スペースXの火星探査実証機「レッドドラゴン」  Image:SpaceX

今月注目されたニュースを振り返ってみたところ、米国の民間企業「スペースX」関連の記事が10本中3件ありました。スペースX以外にも。米国の企業で宇宙ホテルを開発している「ビゲロー・エアロスペース」、日本のロケットベンチャー企業「インターステラテクノロジズ株式会社」が10大ツイートに選ばれています。このことから、宇宙開発においていかに民間が盛り上がっているのか、わかりますよね。
それでは振り返っていきましょう!

<おまけ>
今月、最も注目された宇宙本はこちら!

4月の月刊TELSTAR NEWSはここまでです。
それではまた来月、お会いしましょう。   (TELSTAR NEWS管理人)

第9回 月の誕生

こんばんは、満月の夜がやってきました。満月記事では月に関する話題を紹介していますが、そもそも月はどのように生まれたのでしょうか?今回は月の誕生について見ていきたいと思います。

月の誕生

地球のただ1つの衛星である月の誕生には、主に次の4つの説が唱えられてきました。

①兄弟説
塵が集まって、地球と月が同時につくられたという説。

②親子説(分裂説)
誕生直後の地球の自転は現在よりも高速であったため、遠心力により原始地球の一部がちぎれて月がつくられたという説。

③他人説(捕獲説)
地球の近くを通過した小天体が、地球の重力によって捕らえられて月になったという説。

④巨大衝突(ジャイアントインパクト)説
原始地球に小天体が衝突し、地球や小天体の破片が集まって月がつくられたという説。

ジャイアントインパクト説

現在、最も有力な説は巨大衝突(ジャイアントインパクト)説です。ジャイアントインパクトという言葉は聞いたことがある人もいるかもしれません。他の説に比べて名前もかっこいいですよね!
ジャイアントインパクト説は、今から45億年前の原始地球に火星サイズ(地球の約半分の直径)の小天体が衝突し、そのときに破壊された小天体の残骸と、衝突によってえぐりとられた地球の物質が集まって固まり、月がつくられたというものです。化学組成が地球のマントル部分と似ている、平均密度が地球に比べて低い、などの月の特徴を一番うまく説明できるのが4つのうちこのジャイアントインパクト説なのです。最新のシミュレーションによると、衝突が起きてから月ができあがるまでにかかる時間は1ヶ月足らずだという結果もあるようです。

以前にもジャイアントインパクトについてご紹介しています!ぜひこちらも読んでみて下さいね。

ジャイアントインパクト想像図
ジャイアントインパクトの想像図©NASA

「ひとみ」はどうして宇宙に行ったの?

こんにちは。すえです。
今、私は1機の人工衛星の還りを待っています。
みなさんも心配していることでしょう。
TELSTAR07_10-11_特集まとめ
ASTRO-H(愛称:ひとみ)

現在のひとみの状況を簡単に例えると、「無事かどうかLINEで聞いても未読無視」といったところでしょうか。
JAXAを始めとする関係機関が、ひとみに電波でどんな状況か質問を送っているのに、ひとみが全く答えてくれていません。アメリカのJSpOCという機関は観測の結果、「ひとみが10個の物体に分かれたと推定する」と発表しておりJAXAが関係機関と調査中です。
ひとみは今後どうなってしまうのか。残念ながら、私には知る術がありません。
でも、ひとみを応援することはできます。
皆さんにもひとみを応援してもらうために、この記事では「どうしてひとみは宇宙へ行かなくてはいけなかったのか?」ということをお伝えします。

ひとみはどんな衛星?

宇宙ではいろいろな人工衛星がお仕事をしています。例えばお天気を観測している気象観測衛星(正式には運輸多目的衛星)「ひまわり」。小惑星探査機「はやぶさ2」のことを知っている人も多いでしょう。
ひとみはX線天文衛星と呼ばれています。X線という光で観測する宇宙望遠鏡です。
TELSTAR07_06-07_特集RGB 宇宙には様々な光があります(TELSTAR vol.7)

宇宙にある天体は、その温度に応じてさまざまな光を出しています。太陽は「可視光」という光を出していて、もっと温度の低い天体(ちりみたいなもの)は赤外線という光を出しています。
TELSTAR07_08-09_特集X赤外線 X線天文衛星を使うと、ブラックホールのような天体を観測できます(TELSTAR vol.7)

もっと温度の高い天体は、可視光はほとんど出さず、X線という光を出しています。X線はレントゲンを撮る時に使われますね。
ひとみのお仕事はこのような「X線を出している、熱い天体を観測する」ことです。
日本はこのX線天文学を一歩リードしていて、ひとみは世界中の天文学者から宇宙の謎を解明することを期待されていました。

修理できないの?

地球上の機械はたいていの場合修理ができますよね。私もたまにノートパソコンの調子が悪くなって、お店に持って行って修理してもらうことがあります。
地球上の望遠鏡もお金はかかってしまいますが、部品があれば修理できます。

しかし宇宙にいるひとみを修理するのは、ほぼ不可能です。
まず、宇宙へ行かなくてはいけません。そしてひとみに近づいてキャッチ。宇宙飛行士が出てきていろいろな工具を使って修理する。
sts61inspace_full スペースシャトルによるハッブル宇宙望遠鏡の修理©NASA

昔、スペースシャトルを使って、ハッブル宇宙望遠鏡を修理したことがあるのですが、現在スペースシャトルは退役してしまったので、修理しに行くことは不可能です。

TELSTAR10_16-19_衛星試験_hontosaigo-1のコピー 衛星を打ち上げる前には様々な試験が待っています(TELSTAR vol.10)

「宇宙に飛ばしたものはもう修理できない。」というのが人工衛星づくりの基本になっています。そこでロケットに載せて飛ばす前に、故障しないかどうか何度も何度も厳しい試験を繰り返します。

地上で観測したらいいのでは?

「わざわざ宇宙に飛ばさずに、地上の望遠鏡で観測したらいいんじゃない?」と考えた方もいらっしゃるでしょう。ナイスアイディアです!地上に置いておけば、何かあっても修理できますもの。
しかし、ひとみには宇宙に行かなければいけない事情があるのです。

ひとみはX線を観測する望遠鏡です。
実は地球が私たち生物をX線から守ってくれているために、X線が地上まで届かないのです。
レントゲンを撮れる回数が制限されているように、X線は生物にとって有害な光です。
生物がX線を浴びると、体の組織を壊してしまいます。レントゲン検査では害が無いくらい弱いX線を当てていますが、宇宙にはとても強い放射線が飛び交っています。
地球の分厚い大気はこの強いX線を吸収し、地上にいる私たちのところまでX線を通しません。
なので、ひとみのようなX線望遠鏡を地上に置いても、X線が届かず観測できないのです。
TELSTAR07_10-11_特集まとめ 適材適所。望遠鏡はいろいろな場所に設置されます。(TELSTAR vol.7)

そこでひとみはX線を吸収してしまう大気圏の外、そう宇宙まで観測しにいかなくてはいけないのです!

どうなる?ひとみ

今は、ひとみと通信ができない状態にあります。まずはこの通信を復旧しなくてはいけません。
通信が復旧できれば、どの部品がダメになっていて、どの部品がまだ使えるかということがわかります。
運良く一部の観測機器が無事だったら、観測を続けられる可能性があります。JAXA、その他関係機関の人たちはこの可能性に賭けて、必死にひとみとの通信を試みています。

ひとみに関する最新情報はファンファンJAXAというサイトに順次掲載されています。コメントを書ける場所もあるので、ひとみやひとみを支える人たちに、ぜひ温かい応援メッセージを送ってみてください。
http://fanfun.jaxa.jp/topics/detail/7243.html

ひとみはX線天文学の未来を切り拓くため、修理できないというリスクを抱えながらも宇宙へ飛び立ちました。
ひとみが私たちの呼びかけに応えてくれることを、ただただ願っています。

「TELSTAR感謝祭2016」を開催しました!

「TELSTAR感謝祭」って??

こんにちは、きどくらっちです。

TELSTARはたくさんの企業・個人のみなさまや読者のみなさまに支えていただきながら活動しています。
感謝祭は、そんなみなさまに感謝を伝え、
1年間私たちがどんな活動をしてきたかご報告する会です。

2015年度活動報告

2015年度は、冊子を年間4万部発行し、その8割を高校生に届けました。
東京・大阪でそれぞれ
「宇宙×高校生100人サミット~私たちの月面基地計画~」
「宇宙×高校生月面ワークショップ~ツナグ・ツナガル月面基地~」を行い、
たくさんの高校生に宇宙の魅力を届け、宇宙について考えるきっかけを伝えてきました。

そんなご報告のあとに、
参加者の皆様ともっともっと仲良くなりたい!
そんな想いで今年も感謝祭恒例のグループワークを行いました。

グループワーク「虚構TELSTAR」

グループワークでは、「虚構TELSTAR」と題して
「ホントのようなウソの記事」を新聞にして発表してもらいました。

全6班に分かれて、虚構TELSTAR新聞をつくりました。

みなさん、和気あいあい…

優勝したチームの記事は、新聞記事風にデザインして、
後日TELSTAR+にてみなさんにも公開しますね^^お楽しみに!

そして、新世代へ―――

そんな2015年度感謝祭でしたが、これをもって、TELSTARは代替わりとなり、
城戸(くらっち)から吉田(はるぴー)へとTELSTAR初の代表交代を行いました。

代表を引き継ぎましたが、これからも、TELSTARを生んだ者として、
新代表やメンバーを陰ながら支えたいと思っています。
代表として過ごしたこの3年間は、一生消えることのない宝物です。
一緒の時間をともに過ごしてくれた仲間たち、そしてなにより支えてくださった皆さまには、
感謝してもしきれません。
この宝物を胸に、TELSTARに負けないよう、これからも挑戦を続けていきます。

TELSTARはこれからの日本を担う世代に宇宙の魅力を広める活動をしています。
読者であった高校生が今度は発信する側として徐々にTELSTARにも入ってきてくれています。
この循環がさらにさらに発展し、宇宙産業の活性化につながることを願っています。

創設初期メンバーが卒業をし、TELSTARは新世代へ。
今まで積み重ねてきたものを無駄にすることなく、
今年度はさらにひとつひとつのコンテンツの質を高めていくことに力を入れ、
TELSTARが高校生にとって「宇宙とつながる架け橋」であるために、
これまで以上に活動を発展させていきます。

TELSTARを何かのきっかけで読んで・知って、興味をもってくれた皆さん、
新生TELSTARをこれからもよろしくお願いします!!

初代代表・城戸彩乃
2016年度代表・吉田華乃