TELSTARを見つけよう!会いに行こう!!

皆さん、こんにちは!すっかり涼しくなって秋を感じる季節になってきましたね。
秋といえば、学園祭の季節です。いろんな大学で催しがありますね。
今回はTELSTARが見つかる学園とTELSTARに会える学園祭をご紹介します!

TELSTARメンバー見っけ!

TELSTAR恒例の「みやこ祭」@首都大学東京!今年度も出展しますよ!
今年は、TELSTARの冊子で扱った衛星特集の特大版の記事や、惑星ちゃん惑星くんの人気投票コーナーを設置!
いままでの衛星特集が合わさると、そこには・・・!ぜひ実際に確かめに来てくださいね。
また、TELSTARで活動しているメンバーに実際に会えるのも、大きな魅力。
宇宙の素朴な疑問をぶつけてみましょう。大学生のお兄さん、お姉さんと宇宙トークが出来る貴重な機会ですよ!進路相談もできますよ!

カテゴリー 「TELSTARに出会える文化祭」
第12回みやこ祭
日時 11月3,4,5日
※TELSTARブースは4日は出展しません。ご注意ください。
場所 首都大学東京 南大沢キャンパス 京王線 南大沢駅徒歩5分 7号館2階
入場料 無料
詳細 http://miyakomatsuri.com/

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未来宇宙トラベラー

未来でもし、人類が地球外の惑星で宇宙人と共存しているとしたら…?
そんな宇宙での生活を、慶應が誇る最強教授と塾生がそれぞれの専門分野から徹底予測するアカデミックバラエティ講演会!
文系、理系問わず幅広いジャンルから予測を行うため、宇宙の専門的な知識があってもなくても楽しんでもらえるようですよ!
アカデミックな面に気軽に触れられる機会になりそうですね。
さらに、スペシャルゲストにウエンツ瑛士さん、司会に2013年度ミスSFCの千葉佳織さんをお迎えするようです!
 
未来の宇宙生活を、見に行くチャンス!!

カテゴリー 「TELSTARが読める文化祭」
慶應義塾大学第58回三田祭 本部企画
日時 11月20日(日)12:00〜12:50
場所 南校舎ホール(南校舎5階)
入場料 無料
整理券などは配布いたしません。直接会場にお越しください。未来宇宙トラベラー
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ちょこっと顔を覗くだけでもよいので、ぜひ参加してみて下さい!

大学生が作るハイブリッドロケット

皆さん!突然ですが、大学生でも空高く飛翔するロケットを製作できることをご存知ですか?
実は、東海大学、九州大学、東北大学など様々な大学の学生がサークルまたは、プロジェクトとしてロケットを作っています。
今回は多数存在する学生団体のうちの一つである、徳島大学ロケットプロジェクト(以下TRP)にフォーカスします。

ハイブリッドロケットとは?

一般に知られているロケットの種類は、固体燃料ロケットと液体燃料ロケットです。
しかし、そのどちらにも欠点があります。
固体燃料ロケットは1度点火すると燃料がなくなるまで、燃焼を止められないので学生が扱うには大変危険です。
もう一方の液体燃料ロケットは構造が複雑なため、学生団体での製作・運用・管理は非常に困難です。

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そこで固体燃料と液体燃料の欠点を克服するために編み出されたのがハイブリッドロケットです。
現在ではロケットを製作するほぼ全ての学生団体がこのロケットを採用しています。

各団体が目指すのは、到達高度100km、つまり宇宙空間への到達です。
ハイブリッドロケットについて詳しく知りたい方はこちらの記事を是非ご覧ください。
ロケットの今と未来(http://spacemgz-telstar.com/3573)

徳島大学ロケットプロジェクト TRP

TRPは結成から3年目とまだ新しい団体ですが、エンジンを除くほぼ全ての部品を自主開発しています。
彼らの最初の目標は到達高度1kmです。

今までに2機のロケットを打ち上げており、1機目はパラシュートを開くタイミングをタイマーで制御していたのですが、到達高度がシミュレーションより低くなってしまい、落下するまでの間にパラシュートが開かず失敗となってしまいました。

2機目では1機目の問題を解消するため、タイマーを必要としない加速度センサー(力を検知するセンサー)でのパラシュート解放機構を開発しました。
しかし、上手く作動せず、弾道落下となってしまいました。

彼らのパラシュートに対する熱意を聞いてみました。
『私たちTRPは、未だにハイブリッドロケットの安全な回収に成功していません。
宇宙兄弟の名言である「パラシュートは愛で開く」を信じて、38人で毎日楽しく真面目に製作を行なっています。
3度目の挑戦となる今年、私たちの愛が詰まったロケットが無事に回収されるのか、乞うご期待です!絶対パラシュートを開かせます!!』
今後の活躍に期待ですね。

また、子供向けに水ロケット教室を開催し地域貢献や、バルーンで高度約3.5kmの気圧測定および地球の撮影なども行っています。
この活動は徳島新聞や四国放送「ゴジカル」等のメディアに取り上げられ、平成27年度の学生表彰を受賞しました。

存続の危機?!

成長が楽しみなTRPですが、規定改定により、GSE(ロケットを打ち上げるための地上装置)の借用が禁止されました。
つまり、現在TRPは存続の危機にあるのです。

そこで、TRPはクラウドファンディング(※1)を利用し、GSEの資金を集めようとしています。
宇宙開発は今やJAXAなどの国だけでなく、我々民間が支えていくものとなっています。
皆さんの力で宇宙開発を進めて行きませんか。

募金してくださった方には、大型のモデルロケットやオリジナルTシャツ、機体の命名権など様々な特典があるようです。
詳細はこちら

(※1)クラウドファンディング・・・インターネットを通じて不特定多数の人から資金の出資や協力を募るシステム

TRPからのメッセージ

我々が製作するロケットは、まだまだ宇宙には程遠いです。しかし、ロケットに対する想い、宇宙に対する想いは誰にも負けないくらい詰め込んでいます。
幼い頃宇宙飛行士を目指していた方、空を見るのが好きな方、モノづくりが好きな方、宇宙モノのSF映画が好きな方、などなど、一度でも宇宙を夢見たことがあるそこのあなた!!
我々とともにもう一度宇宙を目指してみませんか。
皆様のご支援、お待ちしております。

徳島大学ロケットプロジェクトクラウドファンディング

記者 : 兼松 翼 (Tsubasa Kanematsu)

宇宙へのまわり道 ~アメリカ留学、理転を経て~

【ご挨拶】

はじめまして!今年度から新しくTELSTARのメンバーになりました、大学2年の荒木萌衣(アラキ メイ)です。現在アメリカの大学に通っているため、主にウェブ記事を通して皆様に情報発信をさせていただきます。

TELSTARと出会ったのは、今年の夏に一時帰国している時でした。「宇宙」と聞くとどうしても理系の世界だと思われがちなところ、文理関係なく宇宙と向き合い、ワクワクさせてくれるマガジン、そして団体に惹かれて即アタックしました。
高校2年生まで文系まっしぐらだったにも関わらず、アメリカ留学を機に物理の世界にのめり込み、今となっては文理関係なく大学生活を送っている…。そんな自分が自然とTELSTARに引き寄せられたのは、単なる偶然ではなさそうです。

【物理から開けた「宇宙」の世界】

幼い頃から宇宙に興味はあったものの、あくまでも「未知の世界」に対しての好奇心で止まっていて、本格的に宇宙関連の活動を始めたのは大学生になってからです。発端は、高校2年の時に「理転」をして以来、少しずつ物理という学問に向き合っている間に「もっと宇宙について知りたい」と思ったことでした。

理転する前の自分は、物理が大嫌いでした。元々数学に対して苦手意識を持っていて、重力や加速度といった目に見えないものについて、ただひたすら公式を覚えて問題を解いていて何が楽しいのだろうと思っていました。逆に、文系科目には力を入れていて、幼少期に海外に住んでいたこともあり国際関係に興味を持ち、将来は国際法をはじめとした法律の分野に進みたいと考えていました。
しかし、高校2年の時に交換留学中に学校で取った物理の授業で考え方が180度変わり、物理の奥深さを知ると同時に、幼い頃から頭の片隅に潜んでいた「宇宙」への扉が開きました。物理は、未だ誰も見たことのない宇宙の欠片を探し当てることが目的で、数式や公式はあくまでもそのためのツールだと思っています。「人間は宇宙へ行くべきなのか」などの哲学的な考え方と葛藤しながら少しずつ宇宙に手をのばしていくところにロマンを感じ、気付けば大学で「物理・哲学」という一見関係なさそうな分野を同時に学んでいました。

【宇宙とワタシ】

現在大学では宇宙論の授業や他大学からのゲストスピーカーの講義などを通して知識をインプットし、時より行われるキャンパス内のワークショップやカンファレンスでアウトプットをしています。最近は特に宇宙ビジネスや、その展開に必要不可欠な宇宙法に興味津々です。昨年度大学で主催されたSPACE HORIZONS 2016というカンファレンスでは「月面都市計画に伴う哲学的な問題」をテーマとしたワークショップを運営しながら、宇宙政治(space politics)のスペシャリストなどのメンターの下で「宇宙」についてあらゆる方面から考えていくという経験をしました。

「宇宙」への冒険は科学者や技術者だけが挑むものではない。芸術家、文芸家、哲学者、政治家をはじめとした多分野のスペシャリストがそれぞれの独自な視点から「宇宙」を捉えて初めて、旅は始まります。一歩ずつですが、TELSTARと読者の皆様と一緒に旅の準備が出来れば幸いです。宜しくお願いします!

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月面都市がテーマのワークショップ、SPACE HORIZONS 2016にて。 Credits: SPACE HORIZONS 2016 (http://www.spacehorizonsworkshop.com/#workshop-1)
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物理の実験中の一枚

第15回 砂の衛星、月

こんばんは。満月の夜がやってきました。最近は空気も澄んで、月が綺麗になってきましたね。
私たちが生まれるずっと前、アポロ計画によって地球に持ち帰られた「月の砂」や「月の石」。今夜は、それらの正体についてお話しします。

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「レゴリス」とは?

夜空を見上げると見える、月。
月を見たとき、“あ、今日の月は黄色っぽい!” “今日の月は痩せてるなぁ”などと思うことがあると思います。
しかし、遠い昔のある人は、そんな月を見て、“月は、砂で覆われているのではないだろうか?”そう考えたらしいのです。

まさに、それが「レゴリス」。天体の表面を覆う土壌、岩石の細粒物、月のあのグレーの細かい砂のことです。「月の石」は、砂まで砕けきる前の直径2mm以上の礫(れき)のことをいいます。

レゴリスのできかた

なぜ、レゴリスが月に堆積することになったのか?それは、地球と月の違いからひもとかれます。注目する点は、地球にあるプレート運動と大気が、月にはないということ。

宇宙では、常に微小粒子などが超高速(6〜15km/h)で飛び交っていて、地球にも月にも、それらが降り注いできます。
地球の場合、大気があるため、断熱圧縮や摩擦によって上空で燃え尽きてしまうのですが(これが流星です)、
月の場合、そのまま表面に衝突します。
微小粒子とはいえ、速度がとてつもなく大きいためエネルギーが大きく、硬い岩石でも粉々に砕くことができます。
それが何度も繰り返された結果、砂だらけの表面になっていったのです。

また、地球はプレートの運動により、地殻が長い年月の中で循環したり火山活動を行うことで、もとある岩石が溶岩になります。
しかし、月にはプレートの運動がないので、溶岩に変化することもありません。
砕かれた砂がそのまま残されどんどん堆積していくというわけです。

レゴリスの特徴

なんと、月のレゴリスには、生命の源であるアミノ酸が含まれているのです!
その理由は、正確には解明されていませんが、地球からやってきたという説が有力だそうです。
アミノ酸が存在できるのなら、人間も生活できるのでは…?そう考える人もいるかもしれません。
しかし月のレゴリスは、非常に小さく(約65〜70μm)、形状も尖っており、高い電気伝導性と強い磁性も持っています。
そのため、宇宙服にくっついてしまったり、誤って吸い込んでしまうと危険だったり、その存在だけで電気製品に影響を及ぼしたりします。
実際、アポロ計画でも、何度払っても宇宙服にまとわりつき、精密機器に入り込んで故障させてしまったらしいです。
水や大気のことも考えると、月に人間が住むことはとてもとても難しいのかもしれませんね。

まとめ

第13夜(リンク: http://spacemgz-telstar.com/3445)でもお話したように、月には「海」があります。そこはクレーターのくぼ地であり、内側は比較的新しい地形で、砂の厚さはは2〜8m程度です。
一方、「陸」や「山」の部分は比較的古い地形で、砂の厚さは20〜30mにもなります。
月の公転周期は地球の自転周期と同じなため、地球に常に同じ面を見せています。
月の裏側は見えませんよね。月の裏側は、地球という壁がないため表側よりたくさんの塵が衝突します。
では、月の裏側のレゴリスはどのようになっているのでしょうか?
月を眺めながら、色々なことを考えてみるのも楽しそうですね!
では、また。満月の夜に。

what’s 満月記事

TELSTARは日本で皆既月食が2度見れる2018年を“W皆既月食year”と名付けました。
私たちは日本中の皆さんが、月に様々な思いを巡らせて見上げられるように満月記事をお届けしてまいります!

参考:jaxa PDF (https://edu.jaxa.jp/himawari/pdf/2_moon.pdf)

宙フェスに出展してきました!

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10月9日に京都・法輪寺で行われた宇宙にまつわるグッズやワークショップなどが集まる「宙フェス」へTELSTARが出展してきました!
昨年に引き続き冊子の配布やワークショップ以外にも今年は他のイベントでも販売したTELSTARグッズの販売もしました。
宙フェスに参加してどっぷりエンジョイできた方も、都合がつかなくていけなかった方もこの記事を読んで宙フェスの様子を感じてみてください!

ワークショップ「レジンアクセサリー制作体験」

今回は昨年に引き続きブースにてワークショップを行いました。テーマは「レジンアクセサリー制作体験」。作り方は簡単で、マニキュアをミール皿へと重ね塗りし、その上からレジンと呼ばれる樹脂を流し込みます。その樹脂に紫外線を当てると、透明な樹脂がプックリ硬化し、自分だけの宇宙柄のキーホルダーが完成します!
ワークショップは私たちの想定を上回る反響で整理券もすぐに完売してしまいました。体験できなかった方も多数いるかと思います。
簡単な材料で出来るので、みなさんもぜひ挑戦してみてくださいね!

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レジンアートの作り方

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レジンアクセサリーの例
参加できなかった方もぜひまた来年…!

ワークショップ以外にもTELSTARブースでは冊子の配布やグッズの販売、サイエンスエリアでの大学院生メンバーの講演などたくさんのことをさせていただきました。
冊子を作っている私たちがTELSTARの読者のみなさまと直接お話しできる機会は意外と少ないもので、冊子を初めて読んで感想を教えてくれる方や「いつも読んでるよ!」と声をかけてくださる方もいて、「もっとよりよい冊子を作らねば」と身の引き締まる思いでした。
TELSTARブース以外にも漫画・宇宙兄弟のブースや望遠鏡メーカーのVixenのブースなど、宇宙好きならきっと楽しめるイベントになっていたと思うので、今回参加された方も、参加できなかった方もぜひまた来年来てください!

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TELSTARブースの様子

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ブースにはたくさんの方々が来てくださいました!

20161009_9747-600x400他のブースも楽しそうなものがたくさん!

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サイエンスエリアでの講演

宇宙観から宇宙論へ

自己紹介

初めまして、TELSTAR新メンバーの永石健人です。大学では物理学を学んでいます。宇宙開発や、観測による新しい発見、天体現象の研究などを見てワクワクしています。そんなワクワクをより多くの人と共有していけるようTELSTARの一員として頑張っていきたいと思います。

5/31 火星の最接近!

さてさて、今この記事を読んでくれている方の中に、今年(2016年)の5月31日の夜空を眺めた方はいますか?
その日は火星が地球に最接近した日です。地球を中心と考えると、火星は約2年2か月ごとに地球の周りを一周するので、次に最接近するのは2018年の7月31日ということになります。望遠鏡を持っている方は、最接近する5/31の前後数週間では見える大きさはあまり変わらないので、火星の表面をきれいに観察するいい機会でしたね。ただ、望遠鏡を持っていない方も別の方法での楽しみ方があります。
まず、火星の同じ時間での位置を、何らかの方法で記録してみてください。すると、ただ空を横切っていた火星があるとき方向を翻し、逆走してからまた元の方向に進む、火星の「逆行運動」が見ることができます。今回はそんな天体の動きと、宇宙論の始まりについてのおおざっぱなお話です。

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むかしの宇宙の見え方

コペルニクスが登場する以前は、「地球を中心として太陽や太陽系の惑星が公転運動をしている。」と考えられていました。それはなぜでしょう?聖書にそう書かれているからだ!と言う人もいるかもしれませんが、そうではありません。今考えたいのはそうした論拠ではなく「なぜその考えが合理的であると人々が受け入れられたのか」です。
当時は、性能のいい観測装置も、人工衛星も持ち合わせていないのです。あるのは己の目のみ、その目で彼らは何を見ていたのでしょうか。
例えば日本のある北半球では、夜空の星は太陽と同様に東から西に流れ、北の方角を見ると、北極星を中心に空が回っているように見えます。力学や天文の知識のない人が、星空の規則性を発見したとき、北のその場所を特別ななにかだと思ってしまうのは自然なことではないでしょうか。実際、彼らはそこを“宇宙の支配者の王座がある“とも考えていたそうです。
もうひとつは、先ほど述べたような、惑星の逆行運動です。規則的に東から西へ動く天体の中で、不思議な動きをするその天体が“惑う”星と名付けられた理由が少しわかるような気がします。

人類こそ宇宙の中心?

地上から観測すると様々な見え方をする宇宙ですが、では実際どういう構造をして宇宙は成り立っているのか、と思うのが人情というものです。この構造を考える上での基礎となる、ある哲学を発したのが、アリストテレスという人でした。彼曰く、「全ての図形の中で対称性に優れている球こそが完璧である。即ち、宇宙もこれと同様に球状であり、地球を中心として、球殻のように惑星と太陽がこれを囲み一番外には固定された星がある。」(1)ということで、当時、これが是とされました。これが、いわゆる天動説というものです。
こうして、アリストテレスによって観測事実に対して一見辻褄の合うような説が示されました。しかし、この考え方が逆に複雑な考え方を導入させてしまいます。その発端となるのが、冒頭で紹介した惑星の逆行運動の存在でした。

天動説の提唱

この不思議な運動にアリストテレスの哲学に沿う形で、解決策を与えたのがクラウディウス・プトレマイオスでした。その解決策というのは、「従円」と「周転円」というものを導入し、惑星は周転円上を周り、周転円は地球を中心とする従円上を周回すると考えることで惑星の逆行運動を説明しました。この150年頃のプトレマイオスの考え方は、1543年にコペルニクスの学説が現れるまで1000年以上も生き続けることになります。コペルニクスの学説が広く知られるようになった『新アルマゲドス』という太陽系のモデルをまとめた著書でもコペルニクスとプトレマイオスの体系を含め6つのモデルが示されていました。このことからも、地球に縛られている我々が目で見る観測のみで宇宙の有様を理解することは非常に難しいことだと理解できます。いつ、地球上のどこで見るかということ、己の中の先入観によって見えてくる夜空が簡単に変化していってしまうのです。

コペルニクスとニュートン

コペルニクス以降、その体系は広く受け入れられたわけですが、その他にもコペルニクスは人類に教訓をもたらしました。それは人類が必ずしも中心ではないということ、ここは必ずしも特別な場所でもなく、宇宙の典型的な場所でもないということです。このあと、ニュートンが力学をまとめ、これがコペルニクスの体系の理論的に裏付けになりました。これ以降は、コペルニクスから得た教訓とニュートンの法則を武器にそこから何が得られるか考えるようになっていくこととなります。

宇宙論のそれから

この後、力学、電磁気学、熱力学という基本的な物理の体系が出来上がっていく時代を貫いて、宇宙論は少しずつ歩みを進めていきました。力学、熱力学と登場していくたびにその理論を取り込み宇宙論は変容していきました。今現在も、素粒子論や情報科学などの考えを取り込み歩み続けています。観測の側面では、新たに重力波天文学という新たな目を手に入れたことで、さらなる進歩が期待されるのではないでしょうか。

参考文献
(1)ジョン・Dバロウ(2013)『宇宙論大全』林一、林大訳 青土社
(2)国立天文台『ほしぞら情報2016年5月 火星が地球に最接近』 http://www.nao.ac.jp/astro/sky/2016/05-topics03.html

日本の宇宙ベンチャー企業

初めまして!

今年からTELSTARに新加入した大学3年生の渡辺雄介【わたなべゆうすけ】です!
小さい頃から星空を眺めたり、 ISSを観察することが好きでした。
最近ふと宇宙兄弟を読んで、将来宇宙と関わる仕事ができたら面白いだろうなと思いました。そこから気付いたら、宇宙にのめり込んでいました。
そしてTELSTARを見つけて、そこで記事を書くことが面白そうだなと思い気付いたら入っていました。

自分は理系ではなく文系の大学生です。

一般的に宇宙関係の仕事は理系出身の人たちが行うもので文系とは関係ないと捉われがちですが、衛星やロケットなどを利用するには法律があり手続きを要します。また実際に宇宙開発で生まれた技術を利用していくためには、会社を作って経営したり営業に出回ったりするなどビジネス力が必要になってきます。
そこで理系だけでなく文系の人の力も必要なのでは?と思いました。
自分は文系の人でも宇宙に関われる仕事があることを、伝えていけたらなと思います。

そして最初の記事のテーマは日本の宇宙ベンチャーについてです。ベンチャーって?何なの?と思う人が多くいると思うので、まずはベンチャーの意味から!

【Venture】. 冒険、投機、収益が確定していない新規事業全般のことをいう。また高度な知識や新技術を軸に、革新的、創造的な経営を展開している知識集約型の小企業。アドベンチャーから派生して生まれた言葉。

引用http://u0u0.net/ugSx
http://u0u0.net/ugT0

なるほど!自分も今はっきりと言葉の意味を理解することができました。

そこで日本にはどのような宇宙ベンチャーがあるのか調べてみました!

spacex
©SpaceX HAKUTOのローバーはこのファルコン9ロケットで打ち上げられる予定です。

~衛星~
AXELSPACE
小型衛星で地球を撮影 衛星の製造と得たデータの提供。 https://www.axelspace.com/

ASTOROSCALE
地球軌道上のスペースデブリ【宇宙ゴミ】の撤去・清掃 http://astroscale.com/

ispace
現在はHAKUTOとしてGoogleXprizeで月面レースに挑戦中 その後月面資源探査を事業化し月面の資源探査をする予定。 http://ispace-inc.com/

~ロケット~
InterStellar Technologies
小型ロケットをメインに開発。 小型衛星打ち上げビジネスを展開予定。 http://www.istellartech.com/

PD AEROSPACE
宇宙旅行をするために自社でスペースプレーンの開発。 最近宇宙旅行事前準備として無重力体験のサービスの予約を開始。 http://www.pdas.co.jp/

小型衛星向けに小型ロケットを開発しているインターステラテクノロジーズは、今年度の打ち上げを目標にクラウドファンティングを始めました。
小型衛星の需要は年々高まっているため、今後のビジネスとして有望です。https://goo.gl/qVDRwX

海外にはSpaceXやBlue Originなどのアメリカの民間宇宙ベンチャー企業があります。再利用型ロケットを自前で開発し、実際に宇宙からロケットの一部を地上へ戻す実験をしています。これらの企業は成果を残し続けていて世界的に注目されています。

一方、日本では宇宙基本法が制定され、宇宙の民間利用が進むと期待されています。そしてその法律をもとに「宇宙活動法案」と「リモートセンシング法案」が閣議決定されました。
宇宙活動法案は、民間でロケットの打ち上げや衛星の運用を行う際に政府が安全確認を行うといった内容のものです。また、事故に備えて、民間の事業者が保険に加入することも義務付けます。政府が安全かどうか判断し、万が一事故が起こった場合は政府が一部補償してくれるので、民間がスムーズに宇宙事業へ参入できるようになります。
衛星リモートセンシング法案は、商業目的の衛星が取得した詳細な画像データが悪用されないよう、画像の提供先を限定する、といった内容です。
これらは、これからの日本の宇宙産業の発展には欠かせない基本的な法律になっていくことでしょう。

宇宙開発をリードしていくためには理系の技術者はもちろん必要です。しかし文系のビジネス力、長期的な計画を立てる力、予算を考えたりお金を集めるなどの経済力が宇宙開発には必要なので、文系の力が今すごく求められています。

なので文系の宇宙好きさん!宇宙産業に参加して一緒に宇宙を目指しましょう!

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©NASA

http://www.ikedahayato.com/index.php/archives/27561
http://mainichi.jp/articles/20160304/k00/00e/010/152000c
http://web.ydu.edu.tw/~uchiyama/ron/ron_04.html#web_

第5回 追尾撮影の基本

こんばんは!新月の夜がやってきました。
地方に行くと稲穂も黄色く色付き始め、秋の深まりを感じることができます。夜空を見上げれば天頂には秋の星座、未明には冬の星座「オリオン座」も見ることができるようになりました。
山などでは冷え込みも厳しくなりつつあるので、星空観望時には防寒着を忘れないようにしましょう。また、夜露が出やすい時期ですので湿り気にも強い服装の方が快適です。

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 撮影地:和歌山県有田郡

撮影時の夜露対策

特に9月から4月ごろにかけて、夜露によりレンズが結露することがよくあります。
レンズが結露すると像がぼやけてしまい、良い写真が撮れなくなってしまいます。ブロワーなどで空気を吹きかけて取り除くなどの方法もありますが面倒です…
そこで便利なのがレンズヒーターです。対物レンズの周りに以下のようなレンズヒーター(写真は電池式)を巻くと、夜露がレンズにつくのを防いでくれます。代用品としてカイロを巻いても大丈夫です。「ヒーターが無ければ撮影するのは困難」と言っても過言ではありません。これからの時期、撮影を検討されている方は準備されておくことをお勧めします。
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追尾撮影とは

前回までは固定撮影についてご紹介してきましたが、ここでもう一つの撮影方法「追尾撮影」についてご紹介します。
夜空の星々は見かけ上1時間に15度動いています(日周運動)。固定撮影で同じ方向を撮影していると星が流れてしまうのはそのためです。そこで赤道儀を用いて星々の動きを追尾し撮影することで、撮影した星々を点にすることができます。これが追尾撮影です。

以下の写真は、はくちょう座周辺の空をほぼ同じ時間、同じ設定で撮影したものです。固定撮影では星が流れていますが、追尾撮影では星像は点で、天の川の暗黒星雲の存在もはっきりと見て取れます。

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 ☆彡撮影データ☆彡
 EOS Kiss X7i(改造), EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM
 ss180[s],f4,31mm,ISO-3200
 ポラリエ(赤道儀)で追尾
 撮影地:兵庫県ハチ高原

追尾撮影をするには…?

追尾撮影をするには、赤道儀と呼ばれるものが必要です。赤道儀は動く星々を追いかけてくれる機械です。ただ、三脚を立てるだけの固定撮影と違い、赤道儀は「極軸調整」と呼ばれるセッティングをしなければなりません。極軸調整とは、北極星を用いて赤道儀の極軸を天の北極に向けることです。広角での撮影の場合は、北極星に向けるだけでも十分ですが、望遠での撮影になると極軸望遠鏡を用いて極軸合わせをします。極軸望遠鏡を用いた極軸合わせについては次回ご紹介します。

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  バンビ(小鹿)の横顔とその周辺
 ☆彡撮影データ☆彡
 EOS Kiss X7i(改造), EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM
 ss480[s],f5,100mm,ISO-3200
 スカイメモRSで追尾
 撮影地:大台ケ原(奈良県側)

私自身、極軸望遠鏡を用いない極軸合わせをしたことがなかったので、赤道儀「ポラリエ」をお借りして極軸望遠鏡を使わず目視で北極星を使った極軸合わせをし、上の写真を撮影しました。広角であれば簡単な設置でも十分であることがお分かりいただけると思います。
今後、ご紹介する赤道儀に「SX2」、「スカイメモRS」というものが出てきますが、それらは極軸望遠鏡を用いての極軸合わせをします。

因みに赤道儀はコンパクトさで分類することができ、上記で名前のある「SX2」は赤道儀、「ポラリエ」「スカイメモRS」はポータブル赤道儀に分類されます。スカイメモRSはポータブル赤道儀ではかなり大型のものです。

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いかがでしたでしょうか??
追尾撮影は複雑なところもありますが、天体写真をより美しく仕上げることができ、非常に面白いものです。ただし、赤道儀は高価なものが多く種類も多いため、踏み出しにくい撮影分野の一つでもあるかとは思います。この記事ではできるだけ安価な機材で撮影した写真をご紹介していますが、赤道儀は別です(笑)
そこで、次回(10月31日)では赤道儀の選び方(自己流)と、追尾撮影の実践についてご紹介します。お楽しみに!!