第28回 月へ向かうPart3

皆さんこんばんは。今月も、満月の夜がやってきました。
2018年1月2回目の今日の満月は、前回の満月記事でもお話ししたように「皆既月食」です!月が地球の影にすっぽり入る「皆既」の状態が1時間17分も続きます。部分食の始まりは20時48分、南東の空を見上げてみてください。幻想的な天文ショー、是非お楽しみ下さいね!
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【HAKUTOのこれから】

さて、何度か満月記事で取り上げた、民間の開発チームによる月面探査レースGoogleLunerXPRIZE。日本はチームHAKUTOが月面ローバーSORATOを独自開発し、予選を突破、そして本選に進むことが決定していました。

しかし、HAKUTOがロケットの相乗りを予定していたインド宇宙開発機構(ISRO)の資金不足が2018年1月になって発覚。打ち上げの契約解除を発表しました。他のチームも期限の3月31日までに月に到達する見込みはなく、XPRIZE財団は、期限をもってレースを終了することなってしまいました。

ただ、HAKUTOとしての挑戦が終わったわけではありません!
月面に軟着陸しローバーSORATOを月面に走らせるミッション、また、民間としては日本初の「月周回」「月面着陸」のミッションなど、HAKUTO及びその運営母体であるispaceは、今後も民間による月面探査の実現を目指していくとしています。
HAKUTOの挑戦の継続と、さらなる月探査の発展に期待しましょう!

【2018年の月探査】
さて、ここまでは日本のHAKUTOとその今後についてお話しました。
しかし、HAKUTOはもちろんのことですが、月を目指しているのは日本だけでではありません。
例えば、インドは無人機「チャンドラヤーン2号」を打ち上げる見込みです。10年前の周回機「チャンドラヤーン1号」の後継機で、今回は探査車を着陸させるミッションを掲げています。
また、中国は無人月探査機「嫦娥(じょうが)5号」を年内に打ち上げるとのこと。月の物質を地球に持ち帰る計画で、成功すれば無人では1976年の旧ソ連以来となります。「嫦娥4号」も年内打ち上げの可能性があり、史上初となる月の裏側への無人軟着陸を目指します。
さらに、有人月計画も存在します。アメリカのスペースX社は2017年2月に月周回飛行を18年後半に実現させると発表しています。

まだまだ眠る月の謎、月探査の可能性。みなさんこれからの月探査に是非ご注目ください!

ではまた、満月の夜に。

大学生が作るロケットエンジン

初めまして!今年の秋から新メンバーとなりました、大学三年生の蜂谷友理です。現在は福岡県にある九州大学に通っていて、大学内のサークルで「ハイブリッドロケット」というロケットを作っています。まず、ハイブリッドロケットって何?については、こちらの記事を読んでみてください!今回は、私たちのチームが大学で製作しているハイブリッドロケットと、そのエンジンについてお話しします。

ハイブリッドロケット1

<ハイブリッドロケットで宇宙を目指す>
ハイブリッドロケットの魅力は、なんといっても構造がシンプルで費用が安いこと。近年の宇宙開発では、人工衛星の小型化・低コスト化が進み、それを打ち上げるロケットもより安く打ち上げられることが求められています。そうした需要にぴったりなハイブリッドロケットは、次世代の宇宙輸送機として大変注目を集めているのです。
こうした背景から、私たちのチームは将来宇宙へ到達するハイブリッドロケットを作ることを目標に活動しています!

<ハイブリッドロケットの高度>
ところで、「宇宙空間」とはどれくらいの高さからなのか、皆さんはご存じですか?下の図にあるように、高度約10kmが旅客機の飛行高度で、高度約100km以上のことを宇宙空間と呼びます。つまり私たちは、ハイブリッドロケットで高度100km以上の「宇宙空間」への打ち上げを目指しているのです!

大気層の図

図1: 大気の層の説明

<ロケットエンジンを自分たちで作る!>
では、高度100km到達のために私たちがすべきこととは・・・
それは、「ハイブリッドロケットエンジンを自分たちで作ること」です!
現在多くの大学生チームがハイブリッドロケットを製作していますが、エンジンを自作しているチームはほとんどなく、既成品を使用しています。しかし既成品のエンジンの性能には限界があり、さらに高い高度を目指すためには到底足りません。
そのため私たちは、より高性能なエンジンを自分たち自身で開発しています。そうはいってもエンジンの開発はとても難しく、エンジンを実際にロケットに載せるまでには長い道のりがあります。例えば、エンジンができたら必ず「燃焼試験」と呼ばれる、エンジンだけを燃やす試験を何度も重ねて、性能のチェックをするのです。写真は、私たちのチームが初めて作ったエンジンの燃焼試験の様子です。現場で見ると、かなりの迫力です!燃焼試験の動画は、記事末尾にある動画よりご覧いただけます。

エンジン燃焼の様子

図2:燃焼試験の様子

ロケットの開発は、完成までの道のりこそ大変なことばかりですが、自分たちで作り上げたロケットを打ち上げるその瞬間には、それを上回るほどの感動がこみ上げてきます。
仲間とハイブリッドロケットだけでなく、ロケットエンジンも製作し、そして宇宙を本気で目指せることは、一生に残るかけがえのない経験です。こうした経験を通して、ますますロケットのことが好きになるはず!

さらに興味をお持ちになった方は、以下のHPものぞいてみてくださいね。私たちの活動を通して、皆さんの宇宙への夢がもっと膨らみますように!

九州大学PLANET-QのHP https://planet-q.jimdo.com/
九州大学PLANET-QのYoutube https://www.youtube.com/user/KUPLANETQ

第27回 月に魅せられる

皆さんこんばんは。今月も、満月の夜がやってきました。

遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます!2018年もよろしくお願いします。
寒さもついに本番といったところでしょうか。凍えながら駅を出ると、空ではオリオン座やぎょしゃ座など冬の星座たちがお出迎えしてくれます。
そして今日は満月。ぜひ、冬の豪華な星空と豪華な月をお楽しみください!

【2018年1月の天文イベント】
今年1月は、天文イベントが数多くあります。今回は、そのうち月のイベント2つを含んだ3つを時期の早い順に紹介しましょう。

まず1つ目は、今日1月2日の満月「スーパームーン」です。何度か紹介した通り、スーパームーンは1年で最も大きく見える月のことを言います。
地球月間の距離が最も小さくなるのは2日11時24分頃のようですが、残念ながらその時刻は日本からは観測できません…日本での見頃は、1月1日深夜から1月2日未明でした。スーパームーンを見逃してしまったというみなさん!まだ月は大きく見えます、今日の夜、月を見上げてみてください!

2つ目は、1月4日のしぶんぎ座流星群です。満月に近い時期のため、月光の影響で条件が良いところでも1時間に10数個の流星になってしまうようです。極大は明け方5時頃。皆さん、何時間か早く起きて、新年のお願いをしてみてはいかがでしょうか!

そして3つ目、1月31日の皆既月食です。
この月食は、日本全国で観察することができます。

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東南東の空で20時48分にかけ始め、21時51分に南東の空で皆既食となります。皆既食は23時08分に終わり、その後は徐々に欠けた部分が小さくなっていき、日付の変わった0時12分に、南の空で部分食が終わります。
3年ぶりの皆既月食であり、皆既食の状態が約1時間17分と大変長い上にその全行程が空の高い位置で続くため、今回の月食はかなり注目されています!(ちなみに3年前の皆既月食は12分程度でした。)
皆既食となった月は、赤黒い色に見えます。その間の月は「ブラッドムーン」とも呼ばれ、様々な神話とともに親しまれています。

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これらの3つのイベントは、天気さえ良ければ機材がなくても誰でも楽しめます。今だからこそ見ることができる天文現象、ぜひお楽しみくださいね!その際は防寒対策も忘れずに…!

ではまた、満月の夜に。