こんばんは!
今夜は今年最後の新月です。クリスマスも過ぎ、いよいよ今年も残りわずかですね。
前回は追尾撮影(望遠)のおおまかな注意点をご紹介しました。今夜は実際に撮影をするにあたっての注意点と撮影の方法などをご紹介したいと思います。
ハート星雲(IC1805) 望遠鏡を用いた追尾撮影(望遠) 総露光時間(撮影時間):2時間30分
望遠鏡・望遠レンズを用いて追尾撮影するⅡ
カメラをセットする
レンズにもよりますが、望遠レンズは比較的重く、大きなものが多いです。ちょっとクランプが緩んでいたりすると徐々にカメラがずれて行ったり、回ってぶつけてしまうこともあるかもしれません。特に寒い時期は手がかじかんでしまい力が入りにくくなるため、クランプの緩みには注意が必要です。
バランスを取る
カメラの重量が重くなると赤道儀にもそれだけ負担がかかってきます。その負担をなくすよう、ウェイトなどでバランスを取らなけらばなりません。広角でも大事な項目ですが、望遠レンズなどの重いレンズや望遠鏡では特に重要です。
バランスを取るのための5ステップ
対象の天体に向ける
電動で対象とする天体を導入できる赤道儀であれば微動も調節でき簡単ですが、ポータブル赤道儀などではカメラの方向を手で変えなければなりません。ズームレンズ等である程度広角まで引けるなら難易度は下がりますが、単焦点もしくは望遠鏡となるとなかなか難しいものです。ポータブル赤道儀でよく使われる自由雲台で広角と同様、向きを変えようにもその望遠と重さでなかなか思い通り行かないことも多いです。私の場合、250㎜でも苦労します。慣れてしまえば自由雲台でもいいでしょうが、自由雲台では難しいという方には、回転雲台がお勧めです。自由雲台は文字通り自由に動きますが、回転雲台を取り付けると赤経、赤緯の2軸をそれぞれ別々に動かせるので比較的思い通りの方向へ向けやすいと思います。
(回転雲台は赤道儀の赤経軸の回転のバランスを取るタイプの場合のみ、赤経軸に直接雲台を取り付けるタイプでは使えません。回転雲台では重さのバランスが崩れにくいといった利点もあります。)
自遊雲台・回転雲台 取り付けに使う機材 回転雲台は部品が多いため、それぞれの接続をしっかり確認するようにしましょう。
回転雲台使用時の可動部 回転雲台であれば1軸ずつ動かせるので写真にあるような重く、大きいレンズでも比較的簡単に思い通りの向きに向けることが可能です。
自遊雲台のバランス崩れ(例)
いかがでしたでしょうか?望遠の追尾撮影ができれば本で見たことのあるような写真でも簡単に撮影することができます。
※今回の例ではポータブル赤道儀+カメラレンズでしたが、赤道儀+望遠鏡でもほとんど同じです。
次回(1月28日)は実際にシャッターを切っていくところからと望遠撮影ならではの難しさについてご紹介したいと思います。
お楽しみに!
良いお年を!来年もよろしくお願いします。
written by 打海将平