第10回 新月が地球・太陽と織りなす天文現象
こんばんは!新月の夜がやってきました。
今夜は地球の反対側、南米を中心に金環日食が起きています。満月のときに月食が起こることはよく知られていますが、新月のときに日食が起こることはあまり知られていないでしょう。それは、月食は月が出ているところ(地球の半分)で見られるのに対し、日食は月の影が地球に届いているところでしか見られないため、それほど意識されないからではないでしょうか?
月が地球に近いと皆既日食、遠いと金環日食となります。 (金環日食・皆既日食のどちらでもないぎりぎりの日食を金環皆既日食と言います。)
日食(月食)が新月(満月)の度に必ず見えるとは限りません。満月記事にもありましたが、覚えていますでしょうか?
それは、地球の公転軌道に対し、月の公転軌道が約5度傾いているためでしたね。
さて、先日の満月記事でも日食について触れられていましたが、せっかくなのでもう少し触れておきましょう。
ベイリー・ビーズ
ベイリー・ビーズ金環日食及び皆既日食、金環皆既日食の開始直前、終了直後に見られる現象です。1836年の日食時にイギリスの天文学者ベイリーさんが、欠け際に光がビーズの様にとぎれとぎれに漏れているのを見つけたため、ベイリービーズと名付けられています。
皆既日食のダイヤモンドリングは有名ですが、こちらの現象にも着目してみてください!
日食で確かめられた一般相対性理論
皆既日食の際に星が見られるようになるのは新月記事でも紹介されていましたが、その星が見えることによってあることが確かめられます。それは一般相対性理論(一般相対論)です。一般相対論についてはここでは書ききれませんが、ここで予想されていたのは太陽の重力場により太陽の裏側にある星の光が曲げられ本来見えないはずの星が見えるといったものです。実際に1919年の日食時にこれが確かめられ、一般相対論が確かめられた現象の一つとなっています。
いかがでしたでしょうか?日食はなかなか見ることができない現象ですが、日食に魅せられて世界各地を飛び回り、日食を撮影・観測する日食ハンターと呼ばれる方もいます。人を魅せてやまない天文現象「日食」。皆さんも一度はみてみてください。
次回は3月28日です。お楽しみに!
※今回は予告内容と異なる内容です。前回予告した内容はまた次号以降にご紹介します。
written by 打海将平