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bannar
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第7回 追尾撮影の準備(望遠撮影編)

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こんばんは
今月は新月が2回ありますので、新月記事も今月2度目です。これが満月ならブルームーン(Blue Moon)と呼ばれるそうですよ!
さて、関東の方ではすでに雪が降るなど寒くなってきました。観測地の多くは山奥や内陸になるのですが、凍結には注意が必要です。スタッドレスタイヤやタイヤチェーンがあれば問題ないのですが、それほど雪の振らない地域の方々でお持ちの方は多くありません。そこで、ノーマルタイヤで行けるか不安な場合にはその自治体の観光協会に聞いてみるのも一つです。ただ、山の天気は変わりやすく突然雪が降り出すこともあるため、天気はこまめにチェックしましょう。

ちょっとした耐寒訓練…(カメラ・望遠鏡...ほとんど凍ります。)
@岡山県備前市


望遠鏡・望遠レンズを用いて追尾撮影する
前回では広角レンズを用いた追尾撮影をご紹介しました。広角撮影でセッティングの精度や追尾精度が悪く困ることはそうありません。しかし、望遠撮影になるとセッティングにある程度の精度が求められるだけでなく、様々なことが原因で正常に追尾されずイライラすることがあります。
今回はその改善と予防をご紹介します。

ピント合わせ
望遠になるとピント調節が難しくなります。撮影時に会っているように思えても、後からPCで確認するとピントが甘いことがあります。また、向きを変える際にも少し触れただけでピントがずれることもあるので、望遠撮影時は対象天体を変えるごとにピント調節を行いましょう。ただ、対象天体の周辺に明るい星がないと合わせにくいこともありますが、そこは慣れか、他の明るい星で調節後に対象天体に向け直すしかありません。
また、望遠鏡など焦点距離等が固定になっている場合や、よく使う焦点距離の場合にはバーティノフマスクを使うとピント調節がより精度よく行うことができます。第7夜では詳しくご紹介しませんが、バーティノフマスクのつくり方は簡単ですので是非挑戦してみてください。

バーティノフマスク(自作です。)


極軸合わせ
広角撮影では大雑把でもよかった極軸合わせですが、望遠になるとその分追尾精度が重要になってきます。そのため極軸望遠鏡内のパターンスケールを理解し、極軸合わせはしっかり丁寧に行いましょう!本番撮影を始める前に追尾できているか、試し撮りをお忘れなく!

スカイメモRS 極軸望遠鏡のパターンスケール
(北極星、こぐま座δ、ケフェウス座51番星を使うタイプ)


追尾してくれない…
しっかりと極軸合わせをしたはずなのに追尾してくれない…私もよく経験します。
そこでまず疑うべきは極軸合わせの精度です。もう一度極軸合わせをやり直してみましょう!
そして次は、しっかりとクランプ(固定するネジのようなもの)をしっかりと締めているか。
コントローラーの追尾モードは正しいか?電源は入っているか?もしくは残量が少なくないか?
などなど、思い当たるものを一つずつ当たってみるしかありません。



星の形がちょっとおかしい
写っている星の形が丸ではなくひし形の様に少しだけ長く伸びることがあります。これは風によりカメラのストラップやコントローラー類、望遠鏡が揺れている場合があります。このような場合には、風が弱いところに移動するか車で風を防ぎ撮影するようにしましょう。風がとても強い日は望遠撮影に向いていません。

いかがでしたでしょうか?
望遠撮影は準備段階でも慣れないと少し難しいかもしれません。それでも、それら困難を乗り越え満足のいく写真を撮ることができればうれしいものです。次回(12月29日)は実際に撮影をする方法などをご紹介します!お楽しみに!
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