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宇宙食の新時代到来!「宇宙×食」のイベントに潜入! #2

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3月27日に行われた、「『宇宙×食』ビジネスのポテンシャル〜サステイナブルな宇宙生活と地球環境の実現を目指して〜」のイベント潜入記事第二弾!

 

 

この記事で取り扱うパネルディスカッション1の登壇者は以下の5人。(写真の左から順)

石田 真康氏 [SPACETIDE代表理事/A.T.カーニー(株)プリンシパル] ※モデレーター

鈴木 健吾氏 [(株)ユーグレナ 執行役員 研究開発担当]

向井 千秋 氏 [東京理科大学特任副学長 兼 スペースコロニー研究センター長]

羽生 雄毅氏 [インテグリカルチャー(株)代表取締役]

守屋 実氏 [新規事業家/守屋実事務所代表]

 

「食」が宇宙開発の新境地を切り拓く


日本人初女性宇宙飛行士である向井千秋氏は現在、東京理科大学でスペースコロニーセンター長を務めている。この施設は、月や宇宙での滞在技術、つまり月や火星で暮らすための技術の研究をしている。向井氏いわく、「スペースコロニーセンター」という何をするのかが曖昧な名称になってしまったのは、設立当時は月や火星で暮らすようになるなんて夢物語だと、企画が一蹴されてしまうと思ったからだという。


しかし、月や火星に行くことが現実味を帯びてきた今、その価値は大きく高まっている。現在宇宙開発といえば、ロケットや衛星などを作る航空宇宙分野がメインとなっているが、これらの分野の研究には莫大な予算が必要だ。それゆえ、予算の無い大学や研究所はそこに参入することは難しい。しかし、宇宙滞在技術は、航空宇宙分野に比べると少ない予算で研究ができる。それに加えて、宇宙滞在技術は、地上への応用または地上からの応用がやりやすい。

それゆえ、宇宙での暮らしには欠かすことのできない「食」という分野は、今後宇宙開発の新境地を切り拓いていく可能性が大いにある。

このパネルディスプレイでは、宇宙の「食」が新境地を切り拓くには欠かせないキープレイヤー2人が登壇した。


宇宙食企業が生き残っていくための鍵はデュアル開発!?(デュエルじゃないよ!)

そのキープレイヤーとは、株式会社ユーグレナの鈴木健吾氏と、インテグリカルチャー株式会社の羽生雄毅氏だ。

ユーグレナは、人間にとって栄養満点のミドリムシに目をつけ、食品や化粧品を作っている会社だ。インテグリカルチャーは、培養肉、言いかえれば人工の肉を作っている会社だ。

ミドリムシは、閉鎖環境、つまり宇宙船や基地の中でも育てることができ、しかも栄養が豊富ということで、宇宙での食料として大きく期待されている。

ミドリムシのスープ.jpeg

月面ディナー1.0のメニューの1つ「藻類のグリーンスープ」

 

宇宙に牛や豚を連れて行って食べることはもちろんできない。でも、宇宙に行っても肉が食べたい。そんな願いを叶えてくれるのが、インテグリカルチャーが提供する、人工肉だ。

培養肉のメリメロステーキ.jpeg

月面ディナー1.0のメニューの1つ「培養肉のメリメロステーキ」

 

宇宙食として大きく期待されているこの2つには共通点がある。それは、先ほどの向井氏の話でもでた通り、地上への応用がしやすいということである。

今、世界では人口増加に伴って、食料が足りなくなるのではないかと危惧されている。また、畑や牧場をつくるために森林を伐採するといった環境問題も起こっている。今までの食料の作り方ではこのさきやっていけないかもしれないと世界が憂いている。

この問題に対し、ミドリムシや培養肉といった新たな食糧生産手段は、解決の糸口となる可能性を大いに持っている。そう、この2つの会社は宇宙の課題と地上課題、同時に取り組んでいるのだ。このように、宇宙の課題に取り組みながら同時に地上の課題に取り組む開発を「デュアル開発」と呼ぶ。

宇宙開発が進んでいると入っても、今現在宇宙に行く人は数えるほどしかいない。つまり宇宙の食べ物だけ作っていては商売としてなりたたないわけだ。だからこそ、宇宙食企業が生き残っていくうえで、「デュアル開発」はキーワードとなるに違いない。

 

宇宙食がマーケットを創るためには

ディスカッションの終わりに、大学一年生の時に初めて会社を立ち上げ、それ以来49もの会社の立ち上げに関わってきた、新規事業家の守屋実氏が、今後宇宙食マーケットを創るには何が必要かを語った。

 

「この宇宙×食のマーケットっていうのは、1社単独で築き上げられるほど小さなマーケットではないと思うんですよ。だから、今日ここに集まった人たちもみんなでまとまっていく、というのが勝ち筋だと思います。」

 

守屋さんがいうように、Space Food Xに参加している企業に加え、会場には食に関心を寄せる多くの企業の方々が集まっていた。

この人たちが集結して本気で取り組めば、日本が宇宙食のマーケットを引っ張っていく日も遠くはないはずだ。

 

 

次回、潜入記事第3弾では、極地建築家の方や、防災食を作っている方など、バラエティ豊かな方々が登壇したパネルディスカッション2を特集。

「宇宙と地球上での食と人・コミュニティ」というテーマで、宇宙と食について様々な側面から語り合う!







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