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第21回 月の生まれかた

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皆さんこんばんは。今月も、満月の夜がやってきました。すっかり春の暖かさに包まれ、心地の良い日々になりましたね。花粉や微小粒子状物質などで星が見えにくくなってしまうこともありますが、薄いフィルターのかかったような今ならではの星空も楽しんでみて下さい!

【これまでの月形成説】
さて、今夜は月のでき方についてお話したいと思います。
「月がどのようにしてできたの?」皆さん1度はこの疑問を持ったことがあると思います。“ジャイアント・インパクト説”という言葉、聞いたことはありませんか?

ジャイアント・インパクト説は、数ある月形成説の中で最も有力だとされてきました。その名の通り、大きな衝撃を与えられて月が形成された、詳しく言えば、できたばかりの原始地球に火星サイズの天体が斜めの角度で衝突し、その際に飛び散った破片が集まって月が形成されたのではないかという説です。

月形成の説を考える際、私たちはたくさんの条件を考慮しなければいけません。それらは月の特徴に基づいています。例えば、「質量が地球の100分の1もある」「地球と比べコア(核)が小さい」「回転の勢い(角運動量)が大きい」など。また「起こり得る」ことも重要です。様々な説でシミュレーション行い、あらゆる条件を最も満たしたものが“ジャイアント・インパクト説”だったのです。ただ、その説にも矛盾点はあるため、月の誕生についての研究は終わることはありませんでした。

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【月形成・新説?!】
さて、本題に移りましょう。約3ヶ月前の2017年1月、英科学誌Nature Geoscienceによって、定説を覆す論文が発表されました。

その研究結果は「月は、原始地球に小さな天体が次々と衝突したことによって形成された可能性がある」ということ。簡単に言うと、月の材料の破片たちが複数回の衝突で生み出されたという説です。幾度ものシミュレーションを重ねた結果、微惑星が衝突するごとに原始地球の周囲に残骸の輪が形成され、その後それらが合体して「小衛星」が形成されることが分かったのです。この小衛星の数々が、最終的に月を形成したと言われています。

 

【まとめ】
誰も見たことがない、月の誕生。新説が本当正しいかどうかもまた、誰にも分かりません。あなたも月を眺めてその誕生を想像してみてください。きっと、素敵な夜になりますよ。では、また満月の夜に。

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