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月に思いを馳せる。                                                    ガラスアーティスト×宇宙工学研究者の挑戦

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ノグチミエコ×山本大我コラボレーション展『月の気配 ― 思考する物質』開催にともない、
TELSTARが取材をおこないました!ガラスアーティストと宇宙工学者というユニークなコラボがどのようにして生まれたのか、本記事はその取材の様子をまとめましたので、ぜひご覧ください。

【展示概要】
ノグチミエコ・山本大凱コラボレーション展『月の気配 — 思考する物質』
会期:2026年7月10日(金)〜7月12日(日)
会場:株式会社丹青社 エントランススペース・クリエイティブミーツ 
東京都港区港南1-2-70 品川シーズンテラス19F
営業時間:7月10日(金)18時〜20時 / 7月11日(土)10時〜20時 / 7月12日(日)10時〜19時
トークショー&レセプション:7月11日(土)18:00〜20:00
※すべての時間帯で事前予約制となっております。
下記フォームより事前来場予約をお願いいたします。
予約フォームはこちら


はじめに

タイトル写真にあるガラス作品、実は月面の砂、「レゴリス」を使った作品です。
レゴリスとは、月の表面を覆う細かな砂や岩のかけらのことです。このかけらは、隕石の衝突などによって岩が砕かれてできます。主成分として、酸化ケイ素を含むので高温で熱して冷やすとガラス質になります。また、レゴリスを模して作った砂を「レゴリスシミュラント」と呼びます。今回の作品は、アポロ14号が探査により持ち帰ったサンプルと成分・粒径分布が同等のレゴリスシミュラント(以下レゴリス)を使った作品になっています。

レゴリスシミュラント
レゴリスシミュラント *材料設計/共同研究協力 株式会社丸長

記者:簡単にお二人の自己紹介をお願いします。

山本:総合研究大学院大学 先端学術院 博士課程1年の山本大凱です。現在は、JAXA宇宙科学研究所で次世代宇宙機の熱制御の研究をしています。さらに、個人の研究活動で宇宙空間の自給自足のモノづくりの実現を目標に、惑星環境の再現や技術開発にも取り組んでいます。

ノグチ:ガラスアーティストのノグチマリコです。藤沢市の吹きガラス工房を拠点に活動しています。ガラスアート作品を用いて、空気や宇宙などの境界の曖昧なものを物体化することを追求しています。超高温から形を成すガラスとビッグバンの軌跡につながりを感じたことから、作品の物語には万物の法則を取り入れることが特徴です。

山本大凱さん
山本大凱さん

ノグチミエコさん
ノグチミエコさん

記者:お二人とも全く違う経歴ですね。どのようにして知り合ったのでしょうか。

山本:今から2年前、月面の砂である「レゴリス」を使ったものづくりがしたいと思ったことがきっかけです。砂について専門家からお話を聞きたくて、ガラスアーティストとして長年砂に関わってきたノグチさんを知り、InstagramでDMさせていただきました。

ノグチ:連絡をもらったときは、別にガラスでアーティスト活動をしたいというわけでもなく、砂とガラスについて知りたいという感じでした。しばらくして、山本さんが私の個展にレゴリスを模した砂を持ってきてくださったことが今回の個展につながりました。

山本:ノグチさんからいろいろと砂のことを教わったうえで、月面の砂を模した「レゴリスシミュラント」の開発に成功したんです。ノグチさんに見てもらいたいと思い、できたての砂を持って展示会まで足を運びました。

ノグチ:以前からレゴリスシミュラントを使って作品をつくりたかったのですが、商用利用できるものが開発されておらず。それが、山本さんの砂のおかげで、作品にレゴリスを取り入れることができるようになりました。話を聞いたときはいろいろなコンセプトが頭に浮かびました。

記者今回の展示会の目的や作品のコンセプトを教えていただけますか。

山本:展示会の目的は、タイトルが『月の気配 ー思考する物質』とあるように、作品の製作過程でアーティストが込めた月への思いを感じ取ってもらうとともに、作品を観る人にも宇宙について考えて欲しい。そうした思いを込めています。個々の作品は、ノグチさんが「過去の人」、僕が「未来の人」に思いをはせている作品になっています。

ノグチ:作品の特徴としては、私の作品は宇宙の神秘的な部分と日本人のつながりを意識した作品となっています。一方で、山本さんはレゴリスの素材そのものを意識した作品となっていて全く違う作品となっています。

 

山本作品
作品タイトル1


記者:制作過程を見せていただけますか

ノグチ:もちろんです。左の写真はガラス作品を整形している様子です。
右の写真はレゴリスを加工している様子になります。熱で赤色ですが、冷やすと地球の青色になるんです。

 

展示作品
展示作品


記者:宇宙工学の研究者×ガラスアーティストというユニークな組み合わせのお二人が共同する中で、何か新しい発見はありましたか。

ノグチ:山本さんと彼の砂を使って製作することでいろいろな発見が多くありました。砂の肌ざわりから反応まで、今後の自分の作品に活かせるお宝のような発見が短期間のうちに沢山ありました。

山本異分野の人とかかわることで、新たな疑問を見つけることができました。レゴリスは本来は黒色なのですが、ガラスを組み合わせると翡翠色のような、予想もできない色になることがわかりました。 この不思議な現象はノグチさんと一緒に活動したからこその発見でした。

 

記者:最後に中高生に一言おねがいします!

山本:自分の分野の外に飛び込んでみると、広い世界が待っています。今回のコラボのように、思わぬところで点と点が繋がり、自分の興味を深めることに繋がると思います!

ノグチ:世の中にはほんとにいろいろなことを追求する人がいます。私や山本さんのように球や月面の砂を追いかけるひともいます。自分が少しでも面白いなと思うところを是非深堀してみてください。そして、その興味のきっかけが、私たちの作った宇宙のように広がってゆくととても嬉しいです!

記者:本日はありがとうございました!
こちらの展示は中高生も参加可能ですので、ぜひ足を運んでみてください!

 
取材・文責:高瀬(11期)

 

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