こんばんは!今月も満月の夜がやってきましたね。満月記事ではアポロ計画について様々な点からご紹介していますが、みなさん、9月に取り上げたサターンⅤロケットを覚えていますか?サターンⅤとはアポロ計画に用いられた全長110mの史上最大のロケットのことです。今回はそのサターンⅤに関わりのある、「スカイラブ計画」についてご紹介します。
(9月満月記事:http://spacemgz-telstar.com/?p=1819)
宇宙での生活
突然ですが、今までに国際宇宙ステーション(ISS)以外にも宇宙ステーションがあったことを知っていますか?実は、スカイラブはサターンⅤを改造してつくられたアメリカ初の宇宙ステーションなのです。ISSができるよりも前に、人は宇宙に滞在していたんですね!
スカイラブはサターンⅤの一部を利用したため、宇宙飛行士が居住できる大きな空間が確保できました。スカイラブ内には寝室やトイレ、シャワーユニットなどがあり、アポロ宇宙船での生活よりもかなり快適だったようです。
ジョンソン宇宙センターでスカイラブ訓練中のチャールズ・コンラッド宇宙飛行士©NASA
宇宙空間の実験室
スカイラブ計画では、長期間の無重力状態が人間に与える影響を調べたり、太陽活動を分析したりと、合計171日間に及び実験を行いました。また、彗星などの観測のために17万枚以上の写真も撮影されました。中には学生から募集した実験もあり、その一つとしてスカイラブ3号では無重力でのクモの巣の張り方について実験されたそうです。クモが宇宙で初めて作ったクモの巣は地球上のものに比べるといびつな形でしたが、クモが無重力状態に慣れると地球上のものと同じようにきれいな巣を完成させました。
このように宇宙飛行士は多くの実験を行いましたが、スカイラブ1号の打ち上げ時に太陽電池パネルが開かず十分な電力が供給されないというハプニングがあったため、打ち上げ当初の宇宙飛行士達は数週間を修理に費やすことになりました。
1974年に滞在計画が終了した後もNASAはスカイラブの役割を検討していました。しかし1970年代末に太陽活動が活発したことで周回軌道が不安定になり、予定よりも早い1979年にスカイラブは大気圏へ再突入し、役割を終えました。スカイラブ計画は、宇宙について、そして宇宙での人間への影響について、知識を与えてくれました。
次回の満月記事は月にまつわる神話を取りあげます。お楽しみに!