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再利用型ロケット特集 前編 ~再利用型ロケットの現在地~

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 SpaceXをはじめとする多くの民間企業が表舞台に立ち、白熱している宇宙開発。その中でも特に、再利用型ロケットが脚光を浴びている。今回はそんな再利用型ロケットを掘り下げてゆく。

再利用型ロケットとは?


 通常、ロケットというものは一回限りの使い捨て品であり、打ち上げた機体はそのまま海か宇宙空間に捨ててしまう。そのため、宇宙ゴミやロケット新造のためのコストが問題となっている。

 それらの問題を解決するのが再利用型ロケットである。機体の一部または全体を再利用するため、投棄物とコストの両方を削減できるのだ。その中で最も有名な例が、スペースシャトルである。


打ち上げ中のスペースシャトル「コロンビア」(出典:NASA)打ち上げ中のスペースシャトル「コロンビア」
©1981 NASA

再利用型ロケットの歴史


 スペースシャトルは、巨大なタンクとブースターと共に打ち上げられ、その本体は翼を用いて自力で帰還することができる非常に先進的な宇宙船であった。しかし、翼の重量の分打ち上げに必要となる燃料、メンテナンス費用が嵩むばかりだった。加えて大規模な事故も起きたことで、スペースシャトルの運用は終了となり、それ以降再利用型ロケットの開発は下火となっていった。

 しかし近年、SpaceXをはじめとする民間企業の台頭により、再利用型ロケットは再び勢いをつけてきている。

最新の再利用型ロケット


 まず、Falcon9という一部再利用型ロケットについて紹介する。かのイーロンマスクがCEOを務めるSpaceXという会社で運用されており、なんと一段目が自動でエンジンを吹かせ、打ち上げ後十数分で垂直に着陸してしまうのだ。youtube等で是非とも一度目にして欲しい。この大胆な再利用化により、コストは従来型の半分程度までに抑えられ、2週間に1回以上の頻度で打ち上げられている。さらに、有人飛行まで成功させているため、安全性もお墨付きだ。
無人船に着陸するFalcon9 1段目無人船に着陸するFalcon9 1段目
©2016 SpaceX

 ほかにも、アマゾンでおなじみジョフベゾスが立ち上げたBlueOrigin社のニューシェパードや、ロケットではないが、翼をもつ観光用宇宙船であるVirgin Galactic社のスペースシップシリーズなど、様々な再利用型の宇宙機がある。このように、民間企業によって再利用型ロケットは再び盛り上がりを見せている。このような流れの中、日本でも再利用型ロケットの開発が行われている。後編ではこれについて掘り下げていこう。


~ギャラリー~


着陸を行うNew shepard 1段目
着陸を行うNew shepard 1段目
©2024 Blue Origin
飛行中のSpaceShip2
飛行中のSpaceShip2
©Virgin Galactic

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