01+「全部みせます!アルマ望遠鏡インタビュー!!後編」
大人の事情で紙面に載せられなかったあんなことやこんなこと、ここだけの話で特別に大公開しちゃいます!TELSTAR+、今回の内容は?
「全部みせます!アルマ望遠鏡インタビュー!!後編」
お待たせしました!第1号アルマ記事より、アルマに関わる3名のインタビュー内容を、そのまんま!お届けいたします。
どうぞご覧ください。
国立天文台 平松さん
-ではまず、国立天文台には大学卒業後すぐ入られたのでしょうか。
大学では大学院まで東京大学に行きました。
そこで博士号をとったのが2008年の3月。そこから3年間台湾に行ってます。
で、台湾の天文台のような、研究所があるんですが、そこの研究員として3年間。
そして2011年の3月に国立天文台に入りました。
-大学では何の研究をしていたのですか?
大学の天文学科があるのでそこに進み、
卒業研究は天の川銀河の中心の分子雲について調べていました。
大学院の博士論文は、アルマとは別の、
チリにある望遠鏡を使ってカメレオン座という星座のガスの性質について研究していました。
-カメレオン座・・・ですか。
日本からは見えない星座ですね。
-そうなんですか。因みにカメレオン座って・・・カメレオンの形をしてるんですか?
いや、絶対にカメレオンだとは分からないと思います(笑)
-宇宙に興味を持ったきっかけ、天文学の道を進もうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
興味を持ったのは、子どものころから好きだったんですが、
一番きっかけとして残っているのは小学校のころ親に買ってもらったギリシャ神話の本ですかね。
その頃は宇宙以外にも恐竜とか車とか、とにかくいろいろなことに興味を持っていて、
そのいろいろあるうちの一つが宇宙という感じでした。
天文学へは特にこれといったきっかけはなかったです。
ただ小学校6年生くらいのころにはすでに天文学がやりたい、と思っていましたね。
-なるほど。私が6年生のころは・・・何にも考えていなかったような気がします(笑)
あはは(笑)
-今の平松さんの夢や目標はなにかありますか?
今は研究をしつつ広報もやっているので、広報担当としてはもっとたくさんの人に天文学を楽しんでもらいたいです。
宇宙の楽しみ方って、星を見上げたり、本を読んだり、色々あると思うんですが、その中でも天文学が明らかにしてきた
宇宙の姿を楽しんでもらいたいですね。
星を見上げて楽しむ事よりも、本や写真などで見る宇宙の楽しみ方をもっと伝えて行きたいなと思っています。
研究者としては、そうですね。
星にはいろいろな質量をもった星があります。
人間だと質量の幅は2〜3倍ほどの幅しかないですよね?
それが星には1万倍もの幅があるんです。
星が生まれたときに質量が決まるんですが、原因はわかっていないんです。
その原因を見つけることが今の夢というか、目標ですね。
-そういったわかっていない原因も、アルマのような凄い望遠鏡ができることによってどんどん解明されていく、と。
そうですね。
-そのアルマは現在どのような稼働状況なのでしょう。
2011年9月からアンテナ16台で初期観測をしていて、今年からは第二観測が始まりました。
第二観測はアンテナ40台くらいを使ってやっています。
-66台すべてのアンテナが運用するのはいつになるのでしょうか。
いつ、というのは難しいですね(笑)
再来年以降にはなると思います。
-アンテナ66台の66という数字には何か意味が?
ないですね、お金があればもっといっぱい作っています(笑)
-そうなんですか(笑) アンテナを増やす予定はないのでしょうか。
そういった話もなくはないのですが、具体的に決まっているわけではないですね。
-アルマの写真を見ると、アンテナの配置がランダムに見えるのですが、何か規則性はあるのでしょうか。
規則性はないです。
むしろランダムに配置したほうがきれいに観測できるんです。
シュミレーションを何回も重ねたうえでの、ベストな配置になっています。
-アンテナを配置するだけでも一苦労なんですね・・・。
100tあるアンテナを移動しなきゃいけないですからね・・・。
-では最後に、高校生へのメッセージをお願いします
宇宙に関わる方法って色々あると思うんです。長坂さんのように英語でとか。
意外なところで実は関わっている、宇宙に限らずどのことでも言えると思うんです。
なので幅広く興味を持って勉強することがいいのかなと思います。
視野を広く持つことがいいのかなと。
自分が宇宙しか見てこなかったので・・・(笑)
長坂さん
-翻訳、という形でアルマに関わっているということなのですが、どのような流れで関わることになったのでしょうか。
そうですね、実を言うと私は元々天文台を目指してきたわけではなく、たまたま働かせていただくことになったんです。
-たまたまですか(笑)
そうなんです(笑)
まず、大学は外国語の学部に通っていました。そして大学を卒業して、機械メーカーに勤めていました。
そこで、英語との接点が多くあったのですが、5年勤めたころに、英語を専門にやりたいなという気持ちが芽生えてきたので、
退職し英語の通訳学校に通いました。
通って1年くらいしたころに仕事としてもやりたくなったので、広告代理店の翻訳スタッフとして1年ほど勤めていました。
で、そのころ急に英語の発音を強制したくなって、英会話学校に通っていたのですが、そこの先生が天文台で仕事をしている方で、
「今天文台でこういう募集があるんだけどどう?」と強く勧めてくれたのもあり応募しました。
そして今の職に就いたといった感じですね。
-本当にたまたまというか、意外なところになつながりがあるものなんですね・・・。 アルマで翻訳のお仕事をされている中で、印象に残っていることなどはありますか?
色々なことがいつも新鮮で、これっていうのは多すぎて難しいですね(笑)
でもそうですね、これは驚いたことなんですが、ここにいる皆さんはとてもグローバルで、英語を普通に使われていますね。
使っていくうちに慣れていくんですかね、皆さん英語が専門ではないんですけど、本当にきれいな英語を話されますし書かれるのが驚きでしたね。
-なるほど・・・。 では、最後に高校生にメッセージをお願いします。
今までを振り返って思うのは、
その時々で自分が情熱を感じられることをやっていけば、
最終的には本当に自分が望むことに近づけるのかなと思います。
しっかりと取り組んでいけば、スティーブジョブズじゃないですけど、
点が線になっていくというか、つながっていくものなので、
自分がやりたいことをやっていければいいんじゃないでしょうか。
大西さん
-まず、いま大西さんは何をやられているのでしょうか。
いまはアルマの研究室で、銀河中心のブラックホールの研究を主にしています。
-宇宙に興味を持ったきっかけはなんだったのでしょうか。
そうですね、よく聞かれるんですけど自分でも何だったのか・・・(笑)
-そうなんですか(笑)
気づいたらここまできてたっていう感じなんですけど、
思い起こすと小学校のころに見たTV番組がきっかけだったような気がします。
-なるほど・・・気づいたらここまでってすごいですね(笑)
すみません、個人的に興味のあることで少し話がそれるんですが、
ブラックホールがあるとして、その中に吸い込まれるというか、
入っていくとどうなっちゃうんでしょうか?
そうですね、有名なのはアインシュタインの相対性理論を使うと、
吸い込まれる、入っていく人からすると、いつまでたっても特異点に行けない、
吸い込まれている時間が無限に引き延ばされるんですけど、
外から見ると普通に入って行っているようにしか見えないと言われていますね。
-入ったらつぶれたりはするんですか?
つぶれる・・・というよりは引きちぎられると思いますね。
-なるほど、引きちぎられるですか・・・(笑) 最後に、高校生にメッセージをお願いします。
なんかほとんど言われちゃってもう言うことがない気がするんですが・・・(笑)
まあでも、宇宙にかかわりたいと思って努力を続けていれば
いずれは宇宙にたどりつけると思います。
あとやっぱり興味を持ったならとにかくやってみる、
チャレンジしてみることが大事なんじゃないかなって思いますね!
くぅ〜疲れました!
これにてアルマ編完結です!!
史上最強のアルマが今後いったいどのような世界を私たちに見せてくれるのか・・・。
今後も目が離せませんね!
それでは、ここまで読んでいただいた皆さん、ありがとうございました。