新月記事 第17夜 ガイド撮影
こんばんは。新月の夜がやってきました。
ここ数日は天気が悪いうえに肌寒いですね。星を観るにも寒さ対策が重要な時期となってきました。
寒さ対策をしっかりしたうえで秋の夜長に星空を見てみてはいかがでしょうか?
さて、今夜はちょっとマニアックなオートガイド撮影(ガイド撮影)のお話を…
第8夜や第9夜で扱った望遠での追尾撮影。望遠での追尾撮影は様々な難しさがありますが、最も難しいのは長時間撮影していると星が流れてしまうことです。どれだけしっかりと極軸を合わせ(第7夜「極軸合わせ」)していても、赤道儀そのものでは完璧に星を追尾しきれず、星が流れてしまうことがあります。
第7夜:http://spacemgz-telstar.com/4143
第8夜:http://spacemgz-telstar.com/4259
第9夜:http://spacemgz-telstar.com/4334
長時間露光ではよく見ると星が流れてしまうことも...
それを根本的に防止するのが、ガイド撮影と呼ばれる手法です。端的に説明すると、カメラを2台用意し1台は星の追尾状態を監視し、赤道儀に追尾状態を伝えて修正し、もう一台のカメラで星を撮影するというものです。
最近では、機器がコンパクトかつ安価になってきたため用いている人も増えてきています。しかし、ケーブルが増えてしまったり、電源をより多く必要としたりと準備が大掛かりになってしまいます。
PC使用タイプガイダーを取り付けた撮影風景
PC不使用(スタンドアロン)タイプのガイダー
ガイド撮影をすることによって3分の追尾撮影にしか耐えられなかったものが、5分もしくは10分以上などの撮影にも耐えることができるようになります。そうなるとより淡い天体を撮影しやすくなるため撮影の幅が大きく広がる手法です。
なかなかここまでの手法を用いた撮影まで行いたいという人は多くないですが、是非知識の一つに入れていただければと思います。
ではまた新月の夜に。。。
written by Shohei Utsumi