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はやぶさ2帰還へ② ~はやぶさ2記者会見(6月11日)~

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前回(2020年2月)の記者会見の様子はこちら


2020年6月11日に、「地球に向けての帰り道」であるはやぶさ2について、JAXAのオンライン記者会見が開かれました。

内容は、現在の軌道計画と第二期イオンエンジンの運用状況、最近発表された科学論文についてでした。

その様子をリポートします!


はやぶさ2について

はやぶさ2は、2014年に打ち上げられた探査機です。

小惑星「リュウグウ」の調査をし、サンプル(石や砂)を地球に持ち帰るミッションを目的として現在運用中です。


現在の運用状況も順調で、今年2020年の12月ごろに地球に一度帰り、リュウグウのサンプルが入ったカプセルを地球に返す予定です。その後、どうするかはただいま検討中とのこと。


帰還スケジュールはこんな感じです。

credit:JAXA

credit:JAXA



光学航法カメラ(ONC)を使った調査

光学航法カメラを使ってリュウグウの表面を調査した結果、リュウグウも、月の満ち欠けと同じように明るさが変わることがわかりました。


以下は、様々な角度からの観測結果をもとに、リュウグウの光の反射率(アルベド)を地図化したものです。

青いほど(値が大きいほど)反射が少ない、つまり暗いということになります。


credit:Tatsumi et al. (2020)


また、新たに「フェーズレッドニング効果」という現象が観測されていたことが分かりました。

これは、リュウグウを照らす太陽と、それを見るはやぶさ2とがなす角度(位相角)によって、リュウグウがわずかに赤く見えるという効果です。

これは炭素が多いリュウグウでは観測されないと推定されていて、意外な結果でした。


また、はやぶさ2と同じように、アメリカがサンプルリターン計画をしている小惑星「Bennu」の観測結果と比較すると、2つの小惑星は大変似ているということも分かりました。

(もっと詳しく知りたい方はこちら

Bennuのサンプル、リュウグウのサンプルも、地球に持ち帰られる予定なので、似たもの同士を比べて新たな発見がされるのか、楽しみです!


中間赤外カメラ(TIR)による観測結果

小惑星の温度変化を捉えることができるカメラにより、リュウグウの温度と凹凸度合を計算したそうです。

分かったことは2つあります。


一つは、リュウグウの熱の様子(熱慣性と言う)から、スカスカな岩固まりが全球で一様に分布していることです。


ちなみに少し逸れた雑談ですが。実ははやぶさが調査したイトカワも、中身がスカスカと聞いたことがあります。

そこで、イトカワとの違いについて、TIR担当の嶌生さんに質問でお伺いしてみました!


岩の分布がスカスカな「ラブルパイル天体」であるということは共通しているが、イトカワとリュウグウとでは、それぞれを構成する岩石の違いから、同じであるとは言えないそうです。


では、この違いは何なのでしょうか?

イトカワは地球によくやってくるコンドライト隕サンプルの起源である「S型惑星」に分類されますが、リュウグウは地球にやってくることはレアな炭素質コンドライト隕石(有機物を含む)でできた「C型惑星」に分類されます。

S型惑星は地球が誕生したころの太陽系を知ることができ、C型惑星は有機物から生命の起源を知ることができるのではないかと考えられています。

(もっと詳しく知りたい方はこちら


これらをひとことで違いをまとめると、イトカワは重い石の集まりで、リュウグウは軽くてスカスカな石の集まりだということです。

リュウグウの岩は、「岩自体もスカスカだ」という点でイトカワとは異なります。



そして分かったことのもう一つは、表面はかなりごつごつしていて、「山の反対側では昼」「山の反対側では夜」というふうに温度がまだらなところが一様に分布しているということです。


これにより、熱の影響で天体の軌道が変わる「ヤルコフスキー効果」の影響度合いが分かるため、より正確にリュウグウの軌道計算ができます。


今後の運用

はやぶさ2は、一度地球へ帰り、リュウグウからのお土産だけを地球に送ります。

帰還時も元気であれば、またどこかの小惑星に旅する予定です。

「旅先に着いたら、通り過ぎる『フライバイ』ではなく、詳しく調査する『ランデブー』を行いたい」とミッションマネージャーの吉川さんが仰っていました。

実は、はやぶさの時も、当初は違う小惑星に旅する予定でしたが、地球に帰る頃には機体がボロボロになってしまっていたので「本体も地球に再突入する」という手段が取られました。(よくがんばった、はやぶさ...)

その意思を受けついで、ぜひはやぶさ2にはもっともっと活躍してもらいたいですね!
これからも応援していきましょう!



(種田恭子)


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