映画『ガガーリン 世界を変えた108分』公開記念連載 第一回「公開前に知っておきたい3つのポイント」
TELSTARの土谷です。
過去と現在の場面が切り替わりながら描かれていく、ガガーリンの宇宙飛行、宇宙を志す者達の想い、人々の熱狂、、、。12月3日、この映画の試写会に行ってきた私は、手に汗を握りながら魅入ってしまいました。
第一回目の記事では映画をもっと楽しめるように、ネタバレなしで「知っておきたい3つのポイント」を簡単に説明します。
米ソ宇宙開発競争
第二次世界大戦後、米国とソ連は冷戦状態にありました。2つの国は直接戦うことはせず、スポーツや科学技術など、軍事や政治以外の分野でも競争していました。特に未知の挑戦領域として宇宙があり、両国とも多大な力を注いで世界初を争いました。
1957年、ソ連は世界初の人工衛星「スプートニク1号」を地球軌道に投入することに成功しました。宇宙開発と言えばアメリカと思われる方が多いかもしれませんが、実は先導したのはソ連でした。これに遅れること1年、アメリカも宇宙へ人工衛星を打ち上げました。
そして1961年、これもまたアメリカに先駆けて、映画の主人公でもあるソ連の宇宙飛行士、ユーリー・アレクセーエヴィチ・ガガーリンは人類初の宇宙飛行に挑みました。
人より前に宇宙へ行った動物
1957年に打ち上げられたスプートニク2号には、とある一つの命が乗せられていました。「ライカ」という犬で、地球軌道を初めて周回した動物です。元々の計画通り、ライカは地上に帰ってはきませんでした。睡眠薬で安楽死した後、衛星ごと大気圏に落ちたと言われています。(諸説あり)
ソ連は人工衛星の軌道への投入についてはアメリカを先行していましたが、それ以前にアメリカは宇宙にサルを送る(軌道投入はしていない)など、ソ連に先行していた部分もありました。ソ連は有人宇宙飛行において遅れをとってはならないとして、ガガーリンが宇宙飛行に挑むまで、ライカ以外にも実験のために犬を宇宙に送りました。
尊い犠牲があったからこそ、ガガーリンの宇宙飛行があり、今の宇宙開発があるのです。
バイコヌール宇宙基地
ガガーリンを乗せたボストーク1号はカザフスタンにあるバイコヌール宇宙基地から打ち上げられました。現在も国際宇宙ステーションに宇宙飛行士や物資を運ぶソユーズ宇宙船などがここから打ち上げられています。
ここは現在のロシアにとっての自国領土ではありません。何故、ここに宇宙基地を建てたのでしょうか。
その答えは、「赤道に近い」からです。赤道に近ければ近いほど、地球の自転する遠心力を利用してロケットの打上げのために使用する燃料を節約することができます。日本の発射場である種子島や内之浦も日本の南側にありますよね。これも同じ理由です。
第二回では一つ目のポイントだった「米ソ宇宙開発競争」について詳しく取り上げます。12月19日(金)にアップする予定なのでお楽しみに!
映画は12月20日公開です。皆さんも劇場に足を運んで、「世界を変えた108分」の宇宙飛行を見届けましょう!
『ガガーリン 世界を変えた108分』
http://gagarin.jp/
監督:パヴェル・パルホメンコ 製作:オレグ・カペネツ 脚本:オレグ・カペネツ、アンドレイ・ドミトリエフ
撮影:アントン・アントノフ 音楽:ジョージ・カリス
出演:ヤロスラフ・ジャルニン、ミハイル・フィリポフ、オルガ・イワノワ、ウラジミール・ステクロフ、ヴィクトル・プロスクリン
2013年/ロシア/ロシア語/113分/カラー/ビスタ
原題:Гагарин. Первый в космос 英題:GAGARIN: FIRST IN SPACE
提供:ミッドシップ、シンカ 配給:ミッドシップ
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