JAXA 古川宇宙飛行士による帰還後記者会見(2024年4月24日)
2024年4月24日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)は、同年の3月11日に約199日の宇宙出張から宇宙へ帰還した古川聡宇宙飛行士の帰還後記者会見を開催した。
古川さんは現在、米国テキサス州ヒューストンのNASAジョンソン宇宙センターでリハビリを行っており、現在は無重力暴露後の後遺症から回復しているという。
記者会見では、まず古川さんが宇宙の帰還後に感じた、身体のバランス感覚、首や背骨、股関節などの柔軟性の衰えについて述べられた。これらの症状は、筋肉や骨量減少とともに加齢により引き起こされる身体変化と重なることから、「宇宙が老化の加速モデルであるということを実感しました。」と語った。
地上への帰還後の身体変化について、古川さんがX(旧Twitter)で行われていた、レポートについて取材の中で触れ、「宇宙空間滞在後の身体変化には、前回の飛行経験から予測していた以上の驚きがあり、それを言語化していくことで、より鮮明になってきたように感じます。」と語った。
また今後の活動については、「ISSのきぼう実験棟がもつ機能を最大限活用し、成果を地上へ還元、そして有人月探査をはじめとした人類の新たな発展と発見が続きます。それに向け2025年ごろにISS長期滞在が予定されている油井・大西宇宙飛行士をはじめ金井宇宙飛行士、訓練中の米田・諏訪宇宙飛行士候補者に私の経験を伝え、バトンを繫いでまいりたい。」とも語った。
取材:千葉俊彦、檜皮准成
文:千葉俊彦