第2回サターンV
こんばんは!今回は前回に引き続きアポロ計画のお話です。今日はアポロ宇宙船の打ち上げに使われたロケット「サターンⅤ」についてご紹介します。
サターンⅤって大きい?小さい?
サターンⅤはアポロ宇宙船を月軌道に乗せるために開発されたロケットです。アポロ計画が始まったのは1961年。今から50年以上も前ということは、やはりロケットの大きさは小さいのでは…?それでは他のロケットと比較してみましょう!
スペースシャトル
大きさ・・・全長56m (オービター全長37m)
重量・・・2,000t
最大積載量・・・200~600kmまで23t
*オービター:宇宙飛行士と荷物を運ぶ、飛行機のような形をした宇宙船
まずは知っている人も多いスペースシャトル。NASAが1981~2011年に打ち上げた、地球と宇宙を往復する再利用可能な輸送機です。スペースシャトルはやはり大きいですよね!機体を太くすることで空気抵抗を増やし、着陸しやすくしていたそうです。
スペースシャトル ©NASA
H‐ⅡA
大きさ・・・全長53m
重量・・・289t
最大積載量・・・地球周回軌道までは10t、静止軌道までは4.0t
日本初の純国産ロケットH-Ⅱをより高性能にした人工衛星打ち上げロケットです。2001年から運用が開始されました。H-ⅡAは細いのであまり大きく見えないですが、全長はスペースシャトルとあまり変わらないですね。15階建てのビルくらいの高さがあります。
サターンⅤ
大きさ・・・全長110m
重量・・・2870t
最大積載量・・・地球周回軌道までは104t、月周回軌道までは43t
サターンⅤ、とても大きいですね!なんとスペースシャトルの約2倍!実はサターンⅤは史上最大のロケットなのです。全長110mは30階建てのビルに相当する大きさです。
サターンⅤ ©NASA
▲ロケットの大きさ比較
※CAPACITYは高度400kmから2000kmまでの地球低軌道(LEO)に運べる荷物の重さを表します。
サターンⅤの威力
サターンⅤのすごいところは大きさだけではありません。打ち上げ時の威力もまたすごかったのです。サターンⅤは打ち上げの瞬間、約45㎏の物を5㎞先まで飛ばすほどのパワーを持っていたそうです。また振動も大きかったため、発射場から5㎞も離れた録音スタジオの天井タイルが何枚もはがれたという噂もあります。
サターンⅤ ©NASA
まとめ
アポロ計画というと、人類が初めて月に行ったという業績ばかりが注目されがちです。しかし、半世紀以上も前にこんなに大きなロケットが打ち上げられていたなんて驚きですよね!当時サターンⅤの打ち上げを見ていた人たちは、どんな思いで見ていたのでしょうか。きっと私達の想像以上の迫力だったと思うので、もう見ることができないなんて本当に残念です…。
今回ご紹介したサターンⅤは、アポロ計画に利用された後、ISS以前の宇宙ステーションであるスカイラブ計画にも利用されました。スカイラブ計画についてもまた後日紹介する予定です。お楽しみに!
参考:JAXA宇宙情報センター
http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/saturn_1.html