[新メンバー記事]飛行機で「そら」の旅
自己紹介
はじめまして!今年からTELSTARのメンバーになりました、榎本友紀(えのもとゆき)です。
たくさんの人に航空宇宙産業の魅力を伝えたい!と、ずっと思っていて、
そこからTELSTARに入りたい欲が日に日に強くなって、今に至ります(笑)
今は大学で機械工学を勉強しています。宇宙の工学的な視点から、みなさんに宇宙の魅力を伝えていきたいと思っています。よろしくお願いします!
想像してみませんか?
みなさんは飛行機に乗ったこと、ありますか?
優雅に空を飛ぶ飛行機。
地上を覗くと小さくなった町や山々が見え、飛行機の影が見えることも。
窓の外には青い空と、綺麗な雲があります。
それではもう少し高度を上げて地球のフチが見えるくらいまで行きましょう!
丸みを帯びた地平線と、ぼやぼやと地平線の上に見える大気。
さっきよりも一段と深くなった青い空と、ずっと下に見える雲たち。
夜になると、星がとっても綺麗に輝いています。
©NASA
「そらの旅」は、私たちに癒しと感動を与えてくれるものです。
今日はそんな「そらの旅」についてご紹介したいと思います。
飛行機で宇宙に行ける!?
「そらの旅」といえば、飛行機を連想しますよね。
私は小さい頃からずっと、飛行機に乗ってそのまま高度が上がれば宇宙に行けるんだ!
と思っていました。違ったのですね(笑)
みなさんがよく目にする飛行機は、空気の力を利用して飛んでいるので、空気が無い宇宙空間で飛ぶことはできません。
そこで開発されているのが「スペースプレーン」です。
その名の通り、宇宙航空機!
©JAXA
スペースプレーンが実用化されれば、空港から飛行機のように宇宙まで飛んでいき、さらに地上まで帰ってくることができます。
また、スペースプレーンは宇宙飛行のコストダウンに繋がるだけではなく、短時間でたくさんの人が宇宙に行けるようになる乗り物です。とても画期的だと思いませんか?
スペースプレーンは昔からあった!?
スペースプレーンは1930年代からドイツやアメリカで構想されていました。
1930年代(第二次世界大戦中)のドイツでは、アメリカ爆撃機計画のひとつの武器として構想されていました。弾道飛行による宇宙からの攻撃により、地球上のどんな地点に対しても爆撃を可能とした、とされるものです。ちなみにこのスペースプレーンは、有人という設定だったようです。
世界大戦後のアメリカでは、スペースプレーンは注目を集めたものの、経費削減や、マーキュリー計画・ジェミニ計画という「カプセル型宇宙船による有人宇宙開発」が進展したこともあり、実現に至ることはありませんでした。
現代のスペースプレーン
現在、スペースプレーンは世界各国で研究されています。
例えば、宇宙開発に力を注いでいるアメリカでは
XCORエアロスペースのリンクスや
ヴァージン・ギャラクティックのスペースシップ2の開発が進められています。
リンクスは2人乗りで、微小重力実験用の積荷や小型衛星を高度100 km越えまで運ぶことができるようになっていて、乗客1人当たりの運賃は95,000ドル(日本円で約1167万円)の予定です。
スペースシップ2の見た目は、3機の飛行機がくっついているような外観になっています(笑)両端にある、2機の飛行機のような母機は、真ん中の飛行機を飛ばすための輸送用飛行機とされており、実際に宇宙飛行をして帰還するのは真ん中の飛行機だけ、という構造になっています。スペースシップ2は8人乗り(6人乗客2人パイロット)になっています。
スペースシップ2は、去年の10月末、試験飛行中に墜落事故を起こしました。
着陸システムが原因とされ、同じ事故が起こらないよう、研究・開発が進められています。
[動画] 飛行試験成功の様子
日本でもスペースプレーンが開発されている!?
日本でのスペースプレーンの研究・開発は1980年代から始まったとされていますが、
なかなか研究は進んでいないようです。
現在、日本では、スペースプレーンの技術を生かした「超高速旅客機」の研究開発が
宇宙航空研究開発機構(JAXA)や大学などで行われています!
©JAXA
超高速旅客機は、重力を振り切り、宇宙にまで行けるほどのスピード(※)で飛ぶので、驚くほど速いです。
(※ 音速:秒速340mの二倍以上のスピード)
超高速旅客機が実用化されれば、東京-ニューヨーク間を90分で行ける時代になって、
短時間でたくさんの人が海外旅行に行ったり、出張に行ったり、
旅行好きの人にとっても、出張の多いサラリーマンにとっても嬉しい話ですよね!!
(ちなみに、今の旅客機では東京-ニューヨーク間は最短で12時間半かかります。)
研究・開発が進んでいるスペースプレーンとその技術。
スペースプレーンが「そらの旅」に利用できるということを知っていただけたでしょうか?
みなさんがスペースプレーンに搭乗する日を楽しみに、今後の宇宙飛行情報をお見逃しなく!!