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Talk with a NASA Astronaut ~NASAと宇宙の暮らしを考える 学生主催イベント~

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Talk with a NASA Astronaut
~NASAと宇宙の暮らしを考える 学生主催イベント~

2026年 4月24日(金)にX-NIHONBASHI TOWER(東京)で開催されたイベント「Talk with a NASA Asrtonaut」に参加しました!本イベントは、NASAの現役宇宙飛行士に加え、有人与圧ローバー・プロジェクトマネージャーが、「有人与圧ローバー内の快適さ」というテーマについて語ります! 宇宙探査の最前線の知見に触れながら、参加者のクリエイティブなアイデアをNASAの専門家に直接ぶつける参加型のイベントで、今回はその会場の様子とTELSTARメンバーとして感じたことを綴っていきたいと思います。
主催:宇宙開発フォーラム委員会(SDF)
後援:一般社団法人宇宙フォーラム(JSF)
記者:エンジニアリング専攻 学部4年

NASAの宇宙飛行士が目の前に?!

今回のイベント前半では、宇宙開発の最前線で働く3名の方々からトークセッションをいただきました。NASAの現役宇宙飛行士、ドナルド・ペティット氏、NASAの有人与圧ローバー*1 開発のプロジェクト責任者、ダニエル・ニュースワンダー氏、在日米国大使館NASA代表、レベッカ・レヴィ氏、宇宙開発の第一線を支えるスペシャリストたちの講演を拝聴しました。レヴィ氏からは、駐日米国大使館NASAアタッシェ*2として、日米間の宇宙協力の重要性についてご解説いただきました。また、 ペティット氏からは宇宙という極限生活でのコーヒーカップ発明。ニュースワンダー氏からは、有人与圧ローバーの機能についてご説明いただきました。
特に、ペティット氏はこれまでに4回宇宙飛行の経験があり、その経験と発明を通して得た学びを熱く語っていただきました。
*1 有人与圧ローバー:宇宙飛行士が乗り、生活しながら月面等の天体を探査できる乗り物
*2 アタッシェ:大使館などに派遣される特定の専門分野を担当する専門外交官



図1 ペティット氏 ©SDF

好奇心と科学の力で宇宙を快適に

ペティット氏は通算4回の宇宙飛行を経験し、ISSでの任務の合間に行う好奇心に基づいた科学的活動が、宇宙での生活をより豊かにする可能性を示してきました。宇宙飛行士の主な任務の一つは、国際宇宙ステーション(ISS)で、地上で計画された実験や作業を正確に実施することです。一方で、ペティット氏はISS滞在中に、任務の枠にとらわれない実験が、宇宙での生活をより心地よいものにする可能性も示しました。

その例として、宇宙での発想から生まれた発明品「Capillary Cup」(別名「Space Cup」)があります(図3)。この発明は、ペティット氏の「宇宙でもカップに入れたコーヒーを飲みたい」という身近な願いから始まりました。ISSの微小重力下では、液体は容器の底にたまらず、表面張力の影響を強く受けます。そのため、普通のカップでは液体を安定して飲み口まで運べず、飲み物は専用のパックに入れてストローで飲みます。しかし、これではコーヒーの香りを感じたり、カップを傾けて一息ついたりする、地上では当たり前の体験を楽しむことはできません。

そこでペティット氏は、宇宙での液体の動きを観察し、微小重力下では液体が細い隙間や角に沿って移動しやすいことに着目しました。これは、液体が表面張力によって狭い空間を自然に移動する「毛細管現象」によるものです。この性質を利用して作られたCapillary Cupは、飲み口付近が細くすぼまった特殊な形をしており、コーヒーを自然に飲み口へ導くことができます*3

この仕組みは、単にコーヒーを飲むためだけのものではありません。微小重力下で液体を目的の方向へ導くという点では、宇宙トイレや尿・廃水の収集にも通じる技術です。身近な「コーヒーをカップで飲みたい」という好奇心と科学的活動が、宇宙での生活環境をよりよくする技術につながる可能性を示す例だと言えます。
*3 実際にカップを使用している様子 ☞ https://youtu.be/_b04ZIPj6fY?si=ONQwq3AFvyVkUQlu


  
図2 プロトタイプのコーヒーカップ ©SDF       

  
図3 Capillary Cup(別名「Space Cup」)©NASA

月面で快適に暮らすための課題

次にニュースワンダー氏(図4)からは、NASAの有人与圧ローバー(図5)について、その概要とローバー内の快適な環境づくりの課題を詳しくお話いただきました。この有人与圧ローバーはNASA、JAXA、TOYOTAが共同で開発を進めており、月面の長期間有人宇宙探査に使われる予定です。
課題の1つに窓の設計があるそうです。探査のために大型の窓が必要である一方、月面特有の環境のため、その大きな窓が人間にとって過酷な環境を作り出します。月面環境の昼夜の温度差は-20度〜300度もあります。さらに、月の自転と公転周期がほぼ同じであることから、昼と夜が2週間ごとに訪れます。窓はそうした特殊な環境をローバー内に持ち込んでしまいます。
他にも宇宙飛行士が男女であった場合、ローバーという狭い空間でどうプライバシーを確保するかなど様々な課題点が残されているようです。


図4 ニュースワンダー氏 ©SDF


図5 有人与圧ローバー ©JAXA/Toyota

宇宙で快適をテーマにワークショップ

ペティット氏・ニュースワンダー氏・レヴィ氏からの講演のあと、グループごとに「有人与圧ローバー内で快適に過ごすためのアイディア」を考えました。ワークショップの間もゲスト3名の方々が周回し、グループの意見と彼らの専門知識を照らし合わせながら、より現実的なアイディアを考える機会となりました。
私の班では、ローバーの狭い空間に奥行きを見せるため、「大きな窓をスクリーンとして利用する」。例えば、地球の映像が流れるようにして、ホームシックを軽減をねらいます。また、宇宙でのアイディアをすぐ形にできる、「レゴリス*4を材料とする3Dプリンタ」を設置する。他にも、宇宙飛行士のメンタルケアをリアルタイムで行うために、「ローバーに対話型AIを搭載する」など、多種多様なアイディアが提案されました。

全体としては、宇宙環境の物理的な課題よりも、心理的な問題を議論している人が多かった印象です。参加者ごとに宇宙分野の専門知識に差があったことがその一つの要因かもしれません。あるいは、ペティット氏がコーヒーをコーヒーカップで飲めないことにもどかしさを感じたように、宇宙での快適さを考えるには、実は心理的な課題のほうがより重要なのかもしれません。
*4 レゴリス:月面に堆積している微細なガラス質の粒子


図6 ワークショップの様子 ©SDF

最後に

3時間という短い時間でしたが、普段はなかなか会うことができないNASAの関係者、さらには普段会うことのない分野の学生から良い刺激を受けることができました。特に、エンジニアリングを専攻する学生として、科学の力を利用した発明品のお話は、普段から疑問を考える、観察を怠らないという姿勢の重要性を改めて感じる機会となりました!

このようなイベントは、立場にとらわれない自由な発想を共有しやすい学生だからこその活動です。みなさんも大学生になったら、視野を広く持ち、興味のあることに積極的に挑戦してみてください。 また、中高生の方も今回のようなSDFのイベントには参加可能です!ぜひ一度足を運んでみてください!


©SDF

SDFってなに?

宇宙開発フォーラム実行委員(SDF)は宇宙開発の最前線と皆さまをつなぐ機会を創出する団体です。大学生・大学院生を中心に様々な宇宙にまつわる活動を行っています。活動内容が気になる方は是非以下のリンクよりアクセスしてみてください!
► ウェブサイト
https://www.sdfec.org/
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