ispaceがルクセンブルク政府と連携、月面探査が活発に
日本の民間宇宙企業ispaceが、ルクセンブルクの「SpaceResources.lu」計画に参加することを発表しました。宇宙資源開発の分野で外国政府と連携するのは日本で初めてのことです。
ispaceは”宇宙を人類の生活圏にする”というビジョンを掲げています。月にある水や月面を覆うレゴリスという砂などの調査を行い、月資源の活用を目指しています。現在は主に、月面探査車(ローバー)の開発に取り組んでいて、月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」に出場中の日本チーム「HAKUTO」の運営も行っています。
「SpaceResources.lu」計画は、ルクセンブルク政府による、宇宙資源を商業に利用するための支援計画です。ルクセンブルク科学技術研究所(LIST)が中心となり、諸外国と連携して月や小惑星などにある宇宙資源の開発を行っています。今回の発表によると、LISTが開発した、物質を特定しその質量も測ることができる質量分析計を、ispaceが開発するローバーに搭載します。月にある水の分布をマッピングしたり、レゴリスの成分を測定したりすることが目的です。
では、月の資源はどのように利用されるのでしょうか?例えば、水を水素と酸素に分解することで、月面から打ち上げるロケットの燃料に利用できます。また、レゴリスは焼き固めることで、レンガやガラスとして月面基地の資材に利用できます。他にも鉄やアルミニウムといった鉱物があり、月での利用はもちろん、地球に届けて使うことも考えられます。
ispaceとルクセンブルクのように国際的な協力や技術の進歩によって、月面開発は急速に進んでいます。月に採掘場やロケットの発射台ができ、宇宙船が地球と月を行き来する時代は近いかもしれません。そんな時代を目指すispaceの活躍に期待です。
Image Credit:NASA