オーロラは何で色が決まるのか
皆さん、オーロラを見たことはありますか?オーロラを見てみたいと思ったことがある人は多いかもしれませんが、その仕組みや色の違いの理由は知らないという人もいると思います。今回は色の違いを説明します。
オーロラの仕組み
まずオーロラの仕組みを簡潔に説明します。
太陽から地球に向かって太陽風というものが吹いています。太陽風にはプラズマという陽子や電子が含まれていて、それが大気中の原子や分子に衝突することで励起が起こります。励起とは分子や原子が外部からのエネルギーによって初め(基底状態)よりエネルギーが高くなることを言います。励起状態は不安定であるため、すぐ基底状態に戻ります。その際に光としてエネルギーが放出されるのです。その光がオーロラの実態です。
(Credit:TELSTAR)
発光色の変化の仕組み
光の色は波長によって決まります。光の波長は励起状態と基底状態のエネルギーの差の大きさで決まります。
(Credit:TELSTAR)
オーロラの場合、高度によって色が変わります。
高度が高いと大気の密度が薄くなり、プラズマと大気中の原子が衝突しないためオーロラは発生しません。
プラズマのエネルギーが弱いと低い高度まで行く前に、衝突して酸素原子が赤く発光します。励起状態から基底状態に戻る時間が長く、大気密度が高いと発光する前に衝突が起きてしまいます。そのため、赤いオーロラはなかなか見ることができません。
プラズマのエネルギーが強くなるとより低い高度までプラズマが到達し、緑のオーロラが見られます。オーロラの中でも1番多く見られる色です。同じく酸素原子が発光しますが、エネルギーが大きいためより強く励起し、緑色に発光します。
さらに高度が下がると、酸素原子よりも窒素原子の方が多くなるため、窒素原子がピンクや紫に発光します。窒素原子を多く含む高度までプラズマが届くためには多くのエネルギーが必要なのでこちらもあまり見られません。
これらの知識を踏まえてぜひ一度オーロラを見に行ってみてください。
こちらの記事は2020年より新しくTELSTARに入ったメンバーたちによる記事です。
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