M、NGCってどんな意味?
M57、M101、NGC6720、NGC5457など、アルファベットの記号が付いた天体。
きっと、宇宙・天文好きの方は見たり、聞いたりしたことがあると思います。
この記事では、天体の名前によく使われているこの「記号」について解説します!
天体カタログからみる天文学史
時は約260年前にさかのぼります。
フランスの天文学者シャルル・メシエさんは彗星を観測しながらこんな風に思いました。
「ぼやーっとしている天体がたくさんあって、彗星と紛らわしいな...彗星と紛らわしいぼやーっとした天体の一覧を作っておこう。」
そうして完成したのが、メシエカタログです。
メシエカタログには約110個の星雲・星団・銀河・重星が収められ、
シャルル・メシエさんの頭文字を付けて、M1、M2、M3...と呼ばれるようになりました。
また、これらの天体は「メシエ天体」とも呼ばれており、双眼鏡や小さな望遠鏡でも楽しめるものが多いため、地球上の天文ファンに広く愛されています。
その後、より大きく、より高性能な望遠鏡によって、
メシエ天体よりも暗い天体がたくさん観測されるようになってきました。
そうして作られたのがジョン・ハーシェルによって作られたジェネラルカタログと、
その増強版、ジョン・ドレイヤーによるニュージェネラルカタログです。
ニュージェネラルカタログには恒星とは異なった見た目を持つ7840個もの天体が収められ、ニュージェネラルカタログの略称であるNGCを付けて、NGC1、NGC2、NGC3...などと呼ばれています。
ちなみに、メシエカタログとニュージェネラルカタログの両方に含められている天体も多く存在するため、M57はNGC6720、M101はNGC5457など複数のカタログ名を持つことがありますよ。
M57,NGC6720,こと座 環状星雲
(©NASA, ESA and the Hubble Heritage (STScI/AURA)-ESA/Hubble Collaboration)
M101,NGC5457,おおぐま座 回転花火銀河
(©Hubble Image: NASA, ESA, K. Kuntz (JHU), F. Bresolin (University of Hawaii), J. Trauger (Jet Propulsion Lab), J. Mould (NOAO), Y.-H. Chu (University of Illinois, Urbana) and STScI; CFHT Image: Canada-France-Hawaii Telescope/J.-C. Cuillandre/Coelum; NOAO Image: G. Jacoby, B. Bohannan, M. Hanna/NOAO/AURA/NSF)
終わりに
今回紹介したのは2つの天体カタログのみでしたが、他にも、NGCを補遺したICカタログや、電波源をまとめた3Cカタログ、銀河団をまとめたAbellカタログなど、様々な目的に応じて、多種多様な天体カタログが存在しています。
それでは、今回はこのへんで。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
参考文献
SEDS The Messier Catalog http://www.messier.seds.org/Messier.htm l
公益社団法人 天文学辞典 https://astro-dic.jp/
国立天文台 メシエ天体 https://www.nao.ac.jp/gallery/messiers.html
Astroarts メシエ天体ガイド http://www.astroarts.co.jp/alacarte/messier/index-j.shtml
”天文宇宙検定 2級 公式テキスト(2017~2018年版)” ,天文宇宙検定委員会,恒星社厚生閣,2017,P71