自己紹介

はじめまして!新メンバーの「つるみー」こと鶴見航基です!
大学では理工学部というところで機械工学を勉強しています。
高校で手に取って以来、僕はずっとTELSTARの大ファンなのでついにメンバーになれたことがとても嬉しくて、ドキドキが止まりません。
TELSTARを読んでくださった方に、ほんの少しでも「宇宙っておもしろいな」と思っていただけるような記事を書きたいと思っています!

月面賞金レース「Google Lunar XPRIZE」

月面を舞台にした賞金レース、「Google Lunar XPRIZE」をご存じでしょうか?
ルールは「2017年末まで課せられたミッションを最初にクリアしたチームが優勝」という、いたってシンプルなもの。世界各国から精鋭16チームが月を目指します。

でもこのレース、ただの賞金レースではないんです。

この記事ではそのレースと、レースが終わった後の未来の宇宙産業について紹介したいと思います!

賞金レースの原点

時は1919年、当時のホテル王レイモンド・オルティーグの主催する飛行機賞金レース「オルティーグ賞」が行われました。レースのルールは「最初に大西洋を飛行機で横断した者が優勝」というもの。
スタートから8年、アメリカのチャールズ・リンドバーグが人類で初めて大西洋の単独無着陸飛行を達成し、レースは幕を閉じました。
そして、一躍ヒーローとなったリンドバーグは「リンドバーグブーム」とも呼ばれる一大旋風を巻き起こし、当時一般市民にとってはまだまだ夢の話であった飛行機旅行への関心を集めました。
人々の関心が集まったことで飛行機産業への投資は倍増し、航空技術は大きく発展しました。
そして今では飛行機が飛んでいる光景は当たり前のものとなっています。

世界初!民間から月面へ

そして2007年、現代版オルティーグ賞ともいえる「Google Lunar XPRIZE」の開催が発表されます。出資は世界的大企業Google、レースの運営はアメリカのXプライズ財団が行います。
ルールは以下の二つのミッションを最初にクリアしたチームが優勝というものです。

1.月面に探査車を送り、月面を500m以上走行する
2.探査車に取り付けたカメラで静止画を撮影し地球に送信する。

このレースの注目すべきは出場できるのが”民間企業のみ”と定められている点です。今まで月面へと降り立ったのはアメリカ、旧ソ連、中国の3ヶ国のみで、いずれも資金も技術も豊富な国家プロジェクトとしてでした。つまり、今回のレースの優勝チームが世界初の月面着陸を果たした民間企業となるのです。
日本からは唯一「チームハクト」が出場し、2016年後半に打ち上げを予定しています。日本代表としてぜひ優勝してほしいですね!

Moonrankerのコピー_compress

チームハクトの探査車「Moonraker」画像提供:HAKUTO

そもそも賞金レースの目的って?

さて、ここまでレースの概要を紹介してきましたが、このレースを行う目的、意味とは果たしてどこにあるのでしょうか?

その答えの一つとしてXプライズ財団の設立理念があげられます。
冒頭で紹介したオルティーグ賞は、当時憧れでしかなかった「飛行機」という存在をより身近にし、実際に投資家たちの関心を集め航空産業の発展へと大きく貢献しました。
Xプライズ財団はこの過去の出来事をヒントに「コンテストを通して科学技術の発展を促す」という理念をもって設立されました。
つまり、このコンテストは一時的な目先の賞金だけでなく、より先の未来を見据えたものなのです。

出場チームの多くはこのレースを今後何十年も続くような長期的なプロジェクトの一貫として考えているようです。
たとえば、日本から出場する「チームハクト」は上記のミッションに加え、月面にある※縦穴を探査をするという独自のミッションをかがけています。

※月には縦穴があり、そこの気温条件や隕石が飛来しないことなどから将来の月面基地の建設予定地に最適であるとして注目されています。いつの日かチームハクトが探査した縦穴に住む日が来るかも?!

他にもアメリカの「アストロボティック」チームは「月へ荷物を輸送するビジネス」としての実績を積む一つの過程としてこのレースに出場しているようです。

このレースに出場するチームは賞を取らない限り賞金を手にすることはできません。ですが、その先の未来につながる挑戦としてこのレースに挑んでいるのです。
そして、たとえ優勝できずレースが終わってしまったとしても、Google Lunar XPRIZEに出場する各国のチームが世界中の人類を今よりもずっと宇宙に近づけてくれるなら、このプロジェクトはきっと意味があるのだと僕は思います。

Google Lunar XPRIZEと未来の宇宙開発

過去のオルティーグ賞が飛行機を当たり前にしたように、「宇宙」という存在が当たり前になる未来がすぐそばに来ているのかもしれません。

SFの世界でしかなかった宇宙が、ただ見上げることしかできなかった宇宙という存在が、いよいよ身近な生活の一部になる時代が近づきつつある、ということを考えるとなんだかワクワクしてきませんか?

レースの期限は2017年末までです。優勝するチームはどこになるのでしょうか!楽しみですね!


(Google Lunar XPRIZEの中間賞発表の動画です。チームハクトも受賞しています。)