第4回 CORE×TELSTAR 「材料選定と開放機構について」
ハイブリッドロケットの製作を行っている学生団体、「CORE」。TELSTARメンバーともつながりがあり、「CORE×TELSTAR」コラボ企画が始動しています!全8回にわたり、COREの持つハイブリッドロケット技術を分かりやすく中高生の皆さんにご紹介します。
第4回は「材料選定と開放機構について」記事の前半では、ロケットを製作する際に使う材料についてご紹介します。また後半では、ロケットの搭載物を外へ放出する機構、開放機構についてご紹介します。「COREで活動したい!」など連絡したい方は、ホームページのお問い合わせや、TwitterのDMでお待ちしております!
機体に使う材料
ロケットを製造するうえで必要な材料にはどのようなものがあるのでしょうか。
アルミニウム
加工がしやすく安価なため、開放機構、エンジンブロック、フィンなど様々な場所に使われます。
ステンレス鋼材(SUS:Steel Special Use Stainless)
主に開放機構で使われます。強度は高いですが加工がしにくく、アルミニウムよりも高価です。
ガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastic)
ハイブリッドロケットのボディに使われます。ガラス繊維を様々な樹脂で固めたもので、耐食性、断熱性、耐水性などがあります。軽量化しつつ強度を出すことができるため、近年COREで使用している材料です。
硬質ポリ塩化ビニル管
ハイブリッドロケットのボディに使われます。繊維強化プラスチックFRP材より安価ですが強度を出すためには量が必要なため、機体が重くなってしまいます。少人数のプロジェクトや製作コストを抑えたい時に使われる材料です。
炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)
モデルロケットのボディ、ハイブリッドロケットのノーズコーンに使われます。鉄やアルミニウムと同じ強度を出しつつ軽量化することができます。しかしガラス繊維強化プラスチックより高価です。
開放機構
開放機構とはパラシュートなどロケットの搭載物を外に放出させるための機構です。ノーズコーンの下に設置されることが多く、パラシュートが開いた時の衝撃に耐えられる設計でなくてはなりません。搭載物の放出の仕方には2種類あります。
①縦開放機構
機体の縦方向に開き、搭載物を放出します。横開放に比べ機体の強度を高く設計することができます。しかし構造が複雑なため開放できる確率が低いです。
縦開放機構例©CORE
②横開放機構
機体の側面が開き、搭載物を放出します。縦開放に比べ機体の強度が低くなる場合があります。しかし構造が縦開放よりも単純なため開放できる確率が高いです。
横開放機構例©CORE
パラシュートは何のためにあるの?
学生ロケットは、保安距離と呼ばれる範囲に落とさなければなりません。そのため、落下地点を予測しやすくするために、パラシュートを使わないのもひとつの手です。しかし、そのまま陸や海に叩きつけてしまうと機体が大破するので、観測したデータが消えてしまいます...!だから、ロケットを安全な速度を落として着地させるために、適切な大きさや形のパラシュートが必要です。
一方で、パラシュートを展開させる開放機構が燃焼中に開た場合とても危険です。そうならないように電装部分で制御しています。電装については今後の記事で詳しく説明します。
パラシュートの作り方
まずは、ロケットの質量や速さに合わせて設計します。その後、型紙を作るための模造紙、パラシュートの傘となる布、布を縫い合わせるためのミシン糸、パラシュートにつける紐を用意して、裁縫していきます。
完成したら…
パラシュート部分が完成したら、ロケットの内部に綺麗に畳んで搭載します。畳み方が汚いと上手く開かない可能性があるので、注意が必要です。
詳しい作り方や畳み方は以下の資料から確認できます!COREのメンバーが、ロケットを作りたい中高生の背中を押すために作った資料です。ぜひ活用して下さい!