高校生記者が「宇宙飛行士訓練インストラクター」に取材してみた#2
★宇宙飛行士訓練インストラクターって?
みなさんは宇宙と言われて何を思い浮かべますか?
こんにちは。高校生記者の内田大智です。私自身、宇宙が大好きで、読者の方の中にも大好きな方がいると思います。ロケットが好きな方も、星が好きな方もいらっしゃると思います。宇宙といっても多様で奥が深いのですね。さて、今回は宇宙飛行士...ではなく、宇宙飛行士訓練インストラクターの方に取材をしました。その名の通り宇宙飛行士を指導する人であり、有人宇宙探査に必要不可欠で様々な機器運用のスペシャリストです。
★宇宙飛行士インストラクター 相澤さんの生い立ち
今回は、有人宇宙システム株式会社(JAMSS)に勤めていらっしゃる相澤義高さんにお話を伺いました。相澤さんは、これまでに約15年運用に携わり、何人もの宇宙飛行士の訓練を担当されてきました。そんなエキスパートの相澤さんですが、学生の頃は違う分野の研究をされていたのです。環境問題に興味を持たれ環境資源工学や地球惑星科学分野を研究され、その後、打ち上げが目前となったISSの日本実験棟「きぼう」の運用に興味を持ち、現在も続けられている管制・運用を始められました。そこでのご経験を活かしつつ、現在、宇宙飛行士訓練インストラクターをされています。相澤さんのように、様々なバックグラウンドをもつ方が宇宙飛行士訓練インストラクターとして業務をなさっています。
★「宇宙飛行士訓練インストラクター」の多様性
「宇宙飛行士訓練インストラクターは宇宙飛行士ではありません。」相澤さんがおっしゃった言葉です。宇宙飛行士が覚えなくてはならない知識は膨大です。必要な情報を効率よく提供することが大事ですが、ただ一人のインストラクターがそのすべてを網羅している必要はないそうです。実際に、様々な専門を持つインストラクターが分担して、運用チームやエンジニアとも協力しながら、宇宙飛行士に訓練を提供なさっています。その対象は日本人宇宙飛行士にとどまらず、宇宙ステーションに滞在する世界各国の宇宙飛行士に対して、筑波宇宙センターで訓練が行われます。国際的なプロジェクトであるがゆえにスケジュール調整等、各国の協力が必要です。
★これからの宇宙業界
宇宙業界は多様な世界です。メディアでは度々宇宙飛行士が注目されますが、その背景には多くの人が携わっており、その中でも宇宙飛行士訓練インストラクターは宇宙飛行士に密接に関わってきました。
アルテミス計画やJAXAの宇宙飛行士募集に挙げられるように、これから有人宇宙探査は拡大し、宇宙飛行士に求められるスキルも多様化していくと言われています。そんな中でも、多様な専門性をもつインストラクターの方々が協力することによって、これからの有人宇宙探査は発展していくのだろうと今回の取材を通して思いました。
文責:高校生記者 内田大智
(カバー画像credit:JAXA)