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宇宙食について その7:開発時の注意点って?

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 宇宙食を開発するときに、気を付けなくてはならないことがあります。まず、食品が粉末状であったり、噛んだときに粉が出るようなものは避けなければなりません。理由としては、宇宙空間は無重力なので、粉が飛び散ると際限なく空間をふわふわ漂います。それが、精密機器に入り込んだりすると、命の危険を伴う大事故に発展する可能性があるからです。粉が出やすいものは一口サイズのキューブ状に成形され、スープや調味料も粘り気を持たせたり液化して飛び散らないように工夫されています。液体もそのまま飛び出てしまうようなパッケージでは困りますから、密閉された状態でストローで吸って飲むことができるものが持ち込まれます。

 

 次に、宇宙船や国際宇宙ステーションは窓が開けられないので、火を使う調理法は船内の酸素を消費し、また火災を招く危険性があるのでNGです。従って、お湯をつくる機器や加熱用の調理トレーなど、火を使わない専用の道具が持ち込まれます。お湯をつくる際も、火傷の危険性を避けるため、100℃までは沸騰させず、70~80℃のお湯をつくります。食品や容器も難燃性のもの、万が一燃えても無害なものが持ち込まれます。密閉の空間での食事である以上、強いニオイを放つ食品も避けなければなりません。

 

 加えて、宇宙飛行士が宇宙空間に長期滞在するときは、栄養不足や食中毒などで病気になっても、すぐに病院に行くことができませんから、健康面でも衛生面でも充分に考慮しなくてはなりません。新鮮なビタミンを補うために、定期的に野菜や果物などの生鮮食品が地球から補給されるようになっています。また、冷蔵庫や冷凍庫が無い環境でも長期間食品の品質を損なわずに保存できるように、乾燥状態の食品が持ち込まれ、調理済みの食品はレトルトパックや缶詰で密閉されて持ち込まれます。これらの食品は、常温で1年間保存後も食べられるようになっています。

 

宇宙の食卓.jpg

宇宙船クルーとの宇宙食晩餐会

© JAXA/NASA

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