こんばんは、満月の夜がやってきました。実は今日7月20日はアポロ11号が月面に着陸した日なんです!今日はアポロ計画にも関わるアメリカの月探査機について紹介します!
アメリカでは有人月探査であるアポロ計画の前に、3つの無人探査計画「レインジャー計画」、「サーベイヤー計画」、「ルナ・オービタ計画」が行われていました。これらはアポロ計画の成功に欠かせない重要な役割を果たしています。今回はそのうちのレインジャー計画について見ていきましょう。
アポロ計画についての満月記事はこちらhttp://spacemgz-telstar.com/1708
レインジャー計画の目的
レインジャー計画の目的は、月面の様子を詳しく調べるために月面をクローズアップ撮影することです。つまり、月をできる限り近くで大きく画面いっぱいに撮影することが求められます。レインジャー探査機は月周回軌道ではなく月面へ直接衝突する軌道をとっており、衝突直前まで写真を撮り続けて地球に送信しました。また探査機には6台のカメラが搭載され、6台のカメラのうち2台は衝突の2.5~5秒前まで、残り4台はなんと0.2~0.6秒前まで撮影が可能でした。
6号以降のレインジャー探査機©NASA
実は失敗続きだった…?
レインジャー計画では1961年から1965年の間にレインジャー1~9号が打ち上げられています。しかし1号、2号は打ち上げが失敗、3号は月へ接近途中に軌道をそれ、4号は軌道の修正に失敗、5号も軌道をそれてしまいました。そして6号は月面の「静かの海」にたどり着くことができたものの衝突前にカメラが故障したため、残念ながら月面の撮影は出来ませんでした。いかにミッション成功が難しいことなのか、よく分かります。
6号まで失敗続きのレインジャー計画でしたが、1964年7月、ついにレインジャー7号が月面の撮影に成功します。7号は約4,300枚の月面写真を撮影し、地球への送信にも成功しました。続く8号では約7,100枚もの写真撮影に成功、最後の9号は約5,800枚の写真を撮影しました。
レインジャー7号が初めて撮影した月面(月面衝突17分前)©NASA
最初は失敗ばかりだったレインジャー計画も、たくさんの月面写真により大きな成果を残すことができました。レインジャー7、8、9号が撮影した写真は、地球から観測するよりも高解像度なものでした。上の写真はレインジャー7号が撮影したものですが、クレーターがあることがはっきりわかりますよね。しかし、クレーターがあり月面がでこぼこしているということは探査機が着陸しにくいということでもあります。このことはアポロ計画で探査機が着陸しやすい場所を見つけるのが困難、ということも示す結果となりました。
参考文献
宇宙情報センターhttp://spaceinfo.jaxa.jp/ja/ranger.html
月探査情報ステーションhttp://moonstation.jp/ja/history/ranger.html
月の科学-「かぐや」が拓く月探査(著者:青木満 出版社:べレ出版)