自己紹介
はじめまして!TELSTAR新メンバーの近都 麻衣(きんつ まい)です。神戸大学で惑星学を専攻している大学1回生です。
高校の先生に紹介してもらって以来、ずっとTELSTARの大ファンでした。高校を卒業して大学生になり、何か宇宙に関する活動をしたいと思い、参加しました。
たくさんの人に宇宙の素晴らしさについて知ってもらうことを目標に、私自身もたくさんのことを経験して刺激をもらえたらと思います。よろしくお願いします!
「ひまわり」とは?
「ひまわり8号、9号」(気象庁ホームページより)
さて、今回私がお話しするのは、「ひまわり」についてです。
ひまわり」とは、日本の静止気象衛星の愛称で、現在8号が赤道付近の地上3万5,786kmから、私たちに観測データを届けてくれています。地球とちょうど同じ速さで回っているので、ずっと地球の同じ面を見つめています。まるで、太陽を見つめるヒマワリのようですね!
現在、私たちが毎日目にする気象予報のほとんどには、「ひまわり」の観測データが利用されています。こちらに、「ひまわり」が10分毎に観測した画像が掲載されています。リアルタイムの地球が、動画のようになめらかな連続画像で閲覧できます!
http://himawari8.nict.go.jp/
なぜ、宇宙から?
天気を正確に予想するためには、できるだけたくさんの場所で、気温や気圧などを調べ、天気の変化の様子を詳しく知ることが必要です。日本には、気温、湿度、気圧、雨量、風向き、風の強さなどを自動的に調べる「アメダス」という装置が全国約1,300カ所に設置されています。
しかし、天気を予測するには、地上近くだけでなく空の高い所の気象データも必要です。
そのため、宇宙から撮影した画像や海陸の水蒸気量などの情報を得る、気象衛星「ひまわり」が必要となるのです。宇宙から観測することで、かなり広い範囲の気象情報を短時間で手に入れることができます。また、雲の1番上の温度を測り、その雲の高さと特性を知ることで、雲の動きを細かく予測できるようになってきています。
こちらは、「ひまわり」で観測された日本付近の水蒸気量の画像です。雲だけを見ている訳ではないので、だいぶもやがかって見えますね。
(気象庁ホームページより)
「ひまわり」の進化
8号は2014年にうH-ⅡAロケットによって打ち上げられ、2015年から運用されています。9号は2016年に同じくH-ⅡAロケットによって打ち上げられ、2022年からの観測のために待機する計画です。8号しか宇宙にいないと、何か不具合が起きた時に天気を予報できなくなってしまいます。それだと困るので、待機する9号が必要になるのです。
8,9号は、ともにこれまでのものに比べ大きく進化しています。設計寿命は10年から15年になり、観測回数は30分に1回から10分に1回、特に日本付近では2.5分に1回になりました。また、画像がモノクロから世界初のカラーになり、分解能(解像度)も向上しました。つまり、これまでは途切れ途切れだった画像がより連続的に、さらにカラーで鮮明に見られるようになったのです!
まとめ
現在、「ひまわり」や「アメダス」などからの観測データをもとに、スーパーコンピュータを使って何度もシミュレーションを行うことによって、気象予報が作成されています。
つまり、観測技術が向上したので、予測の精度も大幅に向上したということです。予測精度が向上すると、今までは予測できなかったゲリラ豪雨や竜巻の発生も予測できるようになり、災害を最小限に抑えることができるようになります。
毎日目にする天気予報が宇宙からやってきたものだと思うと、なんだかわくわくしませんか?
ただ、ここまで発達してきた予測技術ですが、天気は小さい変化で大きな影響がでるので100%的中させることはとても難しいことです。これからも「ひまわり」をはじめ、地球観測技術、人工衛星の発展に期待しましょう!
参考:なぜ?どうして?科学のお話4年生(科学のお話編集者集委員会 編集)
ファンファンjaxa(http://fanfun.jaxa.jp/feature/detail/3109.html)