ロケットの構造はどうなってるの?
宇宙好きには欠かせないビックイベントである打ち上げ。しかし肝心のロケットの構造をよく知らないという人は意外と多いと思います。そこで今回は日本の主力打ち上げロケットH‐ⅡAを例にして一般的な多段ロケットの構造を簡単に紹介していきます。
☆ロケットの構造
H-ⅡAロケットの構造
Image Credit : JAXA
まずはじめにロケットの簡単な構造から見ていきましょう。H-ⅡAロケットは大きく固体ロケットブースター(SRB-A)、第1段、第2段、衛星フェアリングの4つから成り、人工衛星は衛星フェアリングの中に載せられます。またH‐ⅡAでは多段式という打ち上げ方法を採用しています。これは不要になった部分から順に切り離していくことで機体を軽くし、上昇速度を上げられるのが特徴です。
☆ロケットの構成部位
続いてロケットを構成する部位について見ていきましょう。
〈第1段〉
第1段の役割は打ち上げ直後に機体を加速し上昇させることです。ここには燃料タンクの他にLE-7Aと呼ばれるエンジンが組み込まれています。
〈固体ロケットブースター(SRB-A)〉
第1段の力だけでは約275tもあるロケットを持ち上げられません。そこで登場するのがSRB-Aです。そもそも固体ロケットブースターとはロケットが軌道に到達するために用いられる補助推進装置のことです。第1段とSRB-Aの2つを併用することでロケットを高度約80kmまで一気に上昇させます。
〈衛星フェアリング〉
衛星フェアリングは人工衛星を守るカバーのようなものです。打ち上げ時の大きな音や振動、大気中を飛行する際に生じる摩擦熱を軽減してくれます。
〈第2段〉
第2段の役割は人工衛星を正確な軌道に乗せることです。第1段とは違うLE-5Bというエンジンを使用しており、燃料の点火や消火を複数回行えるためより長い時間燃焼することができます。
国内では他にH‐ⅡBやイプシロンロケット、もちろん海外でも多くのロケットが開発されています。これを機に他のロケットの構造やそれぞれのロケットの違いなどを調べてみるのも楽しいかもしれませんね。