火星探査の歴史
2018年7月31日、15年ぶりに地球に大接近した火星。これまでに火星にはいくつもの探査機が送り込まれており、火星の有人探査も計画され始めました。地球‐火星間の距離が近づく火星大接近は、火星に人を送り込む絶好の機会となります。次の大接近のときには、火星に向けて宇宙飛行士が地球を出発しているかもしれません。そこで今回はこれまでの火星探査の歴史を振り返っていきましょう。
今までの火星探査
初めて火星近傍に到達した探査機は、1964年に打ち上げられたNASAのマリナー4号です。マリナー4号は火星のすぐ近くを通過しながら地表を撮影し、22枚の画像を地球に送信しました。その後、マリナー6号、7号、9号も続き、1972年までに火星表面の約70%を撮影することに成功しました。マリナー計画に続いて行われたバイキング計画では、火星探査機の初着陸と生命の痕跡を探すことを目的としており、1976年にはバイキング1号が火星への着陸に成功しました。しかし、生命の痕跡は見つかりませんでした。また、2018年現在も活動中である火星探査機「キュリオシティ」は2011年に打ち上げられました。火星での水・生命の探査を目的としており、火星の岩石内に有機物を発見するなど、多くの功績を残しています。
火星探査機キュリオシティ
Image Credit:NASA
これからの火星探査
キュリオシティは火星探査に大きく貢献してきましたが、まもなく運用寿命を迎えようとしています。そこで、火星探査の最前線として新たに開発・計画されている探査機が、キュリオシティの後継者となるマーズ2020です。キュリオシティの基本構造は残しながら、一回り大きなつくりになっています。火星の生命探査や、将来のサンプルリターンを考慮した火星土壌の採取、火星大気から酸素をつくりだす実験など、有人探査に繋がる計画もされています。さらに、火星を飛行するヘリコプターを送り込むという計画も進められており、未来の火星探査を考えると夢が広がります。皆さんも、将来の火星探査に期待を込めながら今夜火星を探してみてください。