将来できうる法律を大調査！宇宙法模擬裁判
第１章 宇宙法とはなんだろう
皆さんは「宇宙法」というものを聞いたことがありますか？宇宙に関する法律ということは想像がつくかもしれません。しかし宇宙法という法律は存在しないのです。
では宇宙法とは何でしょう。宇宙法は宇宙関連の法律や条約の総称です。ここで、一般的に宇宙法と呼ばれている法律を５つ紹介します。
・宇宙条約
内容・月はどこの国の所有物ではない
・核兵器・大量破壊兵器を軌道に設置しない
・宇宙救助返還条約
内容・宇宙飛行士が着陸した際の救助や援助を行わなければならない
・宇宙損害責任条約
内容・衛星やロケットによって人体への影響や政府などの財産を侵害したときなどの責任はどこにあるのか
・宇宙物体登録条約
内容・星を打ち上げた場所、軌道などを登録しなければならない
・月協定
内容・主に月で太陽系の天体などに関する開発は全世界で平等である
これらのように宇宙に関係する法律・条約を総称して宇宙法と言います。
第2章 宇宙法模擬裁判とは？
宇宙法模擬裁判とは、宇宙法が関わる架空の事件について、実際の裁判のように原告・被告に分かれて争う教育的な実践練習です。両者は宇宙法を含む国際法に基づいて自らの主張を展開していきます。今回は、2023年6月17日と18日に学習院大学構内で開催された「2023年マンフレッド・ラクス宇宙法模擬裁判アジア太平洋地域予選」を取材しました。
大会で使用された事例を紹介！
それでは、実際に大会で使用された事例を紹介します。今大会では「宇宙空間におけるレーザー活動および対衛星兵器の使用に関する事件」が争われました。宇宙でのレーザー使用による事故の賠償責任や危険性が高い他国の衛星を破壊することは国際法違反かなどが争点となっています。詳しくは大会の問題文をご覧ください。事件の事実関係や双方の請求が掲載されています。
大会では、国家間の宇宙防衛といった観点から、レーザー衛星の使用と賠償責任について原告国と被告国に分かれて争いました。取材した私たちは、法律を学んでいない素人でしたが、取材の前に大会の問題における争点や難しさを話し合ってみました。
みなさんはこの問題をどう考えますか？ 実際に法律の条文を見たり、自分の意見をまとめたりしてみると法律の面白さや複雑さを実感できるかもしれません。
皆さんも問題文を見て一緒に考えてみましょう！
私たちが気になった点は次の2点です。
・事故と意図的な破壊はどのように判断されて区別されているのか？
・自己防衛の範囲はどこまでなのか？
問題を見て、両者の意見を吟味して判断することはとても難しいと感じました。また、実際に起こりそうな問題であり、今から法整備を行うことの重要性を感じました。皆さんは何が気になりましたか？
この大会では中国政法大学が優勝して世界決勝大会へ進出し、そちらでも優勝して今年の世界一になりました。
©️ TELSTAR
第3章 メンバーの感想
私たちTELSTARメンバーが今回取材させていただいた感想以下の2つがあります。
① 熱い討論による若者の青春
② 英語の重要性
まず1つ目に関しては同世代の若者が母国語でもない英語という言語で討論すること。またその内容もまだ宇宙法と言う名の法律でのまだ見ぬ裁判をする。これに青春を感じました。
2つ目は裁判中に英語で質問されてもすぐに返答する。ただ宇宙法を学ぶだけでなく英語が話せるということが前提なので宇宙開発を学ぶだけの自分も見習わなければいけないなと考えさせられました。
その他に取材前にメンバーで勉強会をおこなって宇宙というのは打ち上げ場建設などの土木から始まりロケットを開発製作する技術、宇宙旅行のサービス、宇宙食などの食、宇宙に関わる法律など一つの分野のように見えて小さな地球を表しているように思うようになりました。
皆さんはどんな宇宙に興味がありますか？また今後宇宙開発が進む中でどんな法律が必要だと思いますか？宇宙に興味が無い方も自分の好きなことが宇宙分野で使われているかもしれません。ぜひ調べてみてください。
©️ TELSTAR
こちらの記事は、2023年より新しくTELSTARに入ったメンバーも参加して執筆しました。 TELSTARでは一緒に活動してくれる大学生の方を随時募集しております。 興味のある方は、TELSTARホームページの「お問い合わせフォーム」または、TwitterのDMなどから ご連絡ください。
