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第6回 CORE×TELSTAR「ロケット電装とは?」

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ハイブリッドロケットの製作を行っている学生団体、「CORE」。TELSTARメンバーともつながりがあり、「CORE×TELSTAR」コラボ企画が始動しています!全8回にわたり、COREの持つハイブリッドロケット技術を分かりやすく中高生の皆さんにご紹介します。

 

第6回は「ロケット電装とは?」

 

「COREで活動したい!」など連絡したい方は、ホームページのお問い合わせや、TwitterのDMでお待ちしております。

 

目次

電装とは?

近年はロボットの発達が著しく、会話をしたり二足歩行をしたりと何でもできるようですが、それは私たち人間や動物が持つ脳の代わりにコンピュータが指令を出して、指示にあった動作をする機械や感受するセンサがあるからです。同じことがロケットにも言え、ただの高速飛翔体に高度や加速度といったデータを得る機能や、目標高度以上でパラシュートを展開させるといった機能を与えるにはコンピュータを中心とした電子部品が重要になってきます。ロケットの構造の中でこのような機能を持ったものをロケット電装といいます。この記事ではそんなロケット電装の設計がどのように行われるのか紹介していきます。

概念設計とは?

まず電装設計に限らず、ものづくりには必要な考えですが、順序立ててやっていくことが大切です。闇雲に手を付けるのはものづくりではなくただの工作になってしまうことに注意しましょう。自分たちは何をやりたくて、それを実現するためには何が必要なのか、必要な要素をどう形にしていくかを決める重要な作業から始まります。ミッション内容に基づく形で電装分野の要求項目を整理しましょう。

要求には大きく2つあって、安全に打ち上げるのに必要な安全要求とミッション遂行に必要なミッション要求です。安全要求の例として次のようなことを考えます。もしロケットのエンジンが燃焼中にパラシュートの開放機構が作動したとします。そうするとロケットの挙動が予測不能になり大変危険です。そこで「エンジン燃焼中は開放機構を動作しない」という要求が出来上がります。もう一つのミッション要求の例として、ロケットのミッションに「リアルタイムにロケットのデータを取得する」というものがあるとします。当然ロケットのデータをリアルタイムに得るには無線機を載せて通信する必要がありますあります。そこで「無線機でデータを地上に送信する」という要求が出来上がります。考え得る要求はすべて洗い出しましょう。

要求項目が整理できたら要求に対する仕様を決めましょう。先の2例の要求に対しては、「発射後数秒間はパラシュートを開かない」「飛翔中のロケットから地上にデータ送信を行うのに十分な無線機を搭載する」といった感じです。

担当決め

ロケット電装は大きく基板や電源の設計を行うハードウェア担当とプログラム設計を行うソフトウェア担当に分かれる場合が多いです。しかしどちらの知識もある程度あった方が電装を完成させる時に両者の齟齬が出るのを防げます。こんな仕様知らなかった、そんなつもりじゃなかったといったようなことがよく起こります。

マイコン選定

担当が決まれば詳細設計に入ります。まず使用するロケット電装司令部の役割を持つマイコン(マイクロコンピュータ)やセンサ、電気信号を受けて動くアクチュエータ(DCモーターやサーボがその例)を決めます。これらは先に決めた仕様に沿ったものを選定します。マイコンに関しては、入出力ピンが予め回路に組み込まれていて初心者でも扱いやすいマイコンボードをお勧めします。


マイコンボード(イメージ)

電源について

使うものが決まったら次にそれらの消費電力を計算します。特にアクチュエータの消費電流は大きく、間違った設計にするとマイコンが破壊されたり、電源が壊れたりすることがあるのでしっかりと検証しましょう。消費電力と稼働時間、電圧を決めれば電源を決められます。電源にはそれぞれ電気容量[mAh]やこれ以上の電流を流すと壊れてしまうというバースト電流値[C]があるのでよく確認して選定しましょう。

またリチウムポリマー電池は高エネルギー密度の電源(軽くて高出力の電池)でよく使われますが、発火の危険があるので取り扱いには十分に注意してください。ただし打ち上げ実験の規則で使用禁止されている場合もあります。

試作回路を作ろう

使用部品を手に入れたらBBM(ブレッドボードモデル)を作成します。BBMは基板を作る前の試作回路を意味します。ブレッドボードという白い板にマイコンやセンサを差し込んで、ジャンパ線でつなぎ合わせて回路を作ってください。マイコンとセンサ間の接続(インターフェース)には様々種類があるので、仕様書を見て上手く接続してください。図でインターフェースを整理すると分かりやすいです。ハードウェア担当者がBBMを作成している間、ソフトウェア担当者はBBMの動作を確認できるようなプログラムコードを書く作業をしておきましょう。


ブレッドボード(イメージ)

ロケット搭載用の電装を作ろう

BBMでの動作確認が完了し、回路上に問題がないことを確認出来たら、ハードウェア担当者はその回路に基づいてロケットに搭載するFM(フライトモデル)用の基板設計を行います。基板を作りたい場合は専用の回路図エディタを使うと便利です。

その間にソフトウェア担当者は、本番用のプログラム設計を始めます。プログラム言語はC・C++などがが主流です。基本的にプログラムはコードの順番通りに処理をします。しかし条件分岐や繰り返し処理をするので、特にプログラミング初心者はフローチャートで処理の流れを可視化することをお勧めします。

動作テスト

完成したら、きちんと動作できるかテストを行います。まず行う試験はロケットが発射されたことやパラシュートが開傘したことを判定できるか確かめる判定試験です。ロケットの振動を模擬して基板を手に持って振って加速度を検知し、階段やエレベーターの昇り降りで頂点判定を行います。

次に想定以上の時間稼働し続けることを確かめるロングラン試験を行います。最後にロケットの打ち上げシーケンスに合わせた運用ができるかを確かめるEnd to End試験を行います。また必要に応じて試験項目を追加するのがベストです。

最後に

かなり地道で時間のかかる作業が多いので、スケジュールに余裕をもって開発することを勧めます。ただ残念なことに打ち上げ当日になってロケット電装の調子が悪くなることも多々あります。もしものために対処法をまとめておくとよいでしょう。

最後になりますが、電装班はロケットプロジェクトの縁の下の力持ちです。ロケットの機体を作るような派手なものではないですが、ミッション成功には電装班の活躍が欠かせません。ロケット電装を作る人たちは是非誇りをもって開発に勤しんでください。


ロケット電装

 

もう少し詳しく知りたいみなさん!COREのメンバーが、ハイブリッドロケットを始めたい中高生のために、作った資料です。ぜひ活用して下さい!
ロケット電装とは?

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