今や、私たちが見上げる空の向こうに広がる宇宙空間には無数のゴミが漂っている。使わなくなったロケット、人工衛星、その数は実に、10㎝以上の物体で2万個以上に及ぶとされている。アストロスケールは宇宙のお掃除屋さんとして世界で唯一、この宇宙ゴミの除去を主事業として扱っている会社である。今回はその実態に迫る。

1957 vs 2018_space debris

 

アストロスケール とは?

アストロスケール は、宇宙機の安全航行の確保を目指し、持続可能な宇宙環境の為に宇宙ゴミ問題に取り組む会社です。壮大なミッションとして掲げているのは“宇宙ゴミの除去”。民間企業ならではのスピード感と技術によって宇宙業界に旋風を巻き起こすべく、果敢に挑戦している企業です。
アストロスケールはシンガポールに本社を置くほか、日本やイギリスにも支社を構えています。シンガポールには宇宙企業のアジア統括拠点が多く存在し、人や情報が集まりやすい環境だそう。

astroscale logo(black)

どのような特徴のある会社でしょうか?

良いところだと思うのは、私たちの会社は様々な世代の人がいることです。ベンチャー企業というと一般的に創業者と考え方の近い人や、共感しやすい同年代か、または若い人を呼びこむ傾向にあると思います。しかし、下は20代〜上は70代と幅広いです。そのような環境でも、分け隔てなく互いにコミュニケーションできる距離感でいます。もちろん職位はあるのですが、上下関係は全く意識していません。とてもフラットな組織です。また先ほど冒頭で紹介したように、海外にも支部があるため、離れているチームと連携をするためにほぼ毎日ビデオ通話でコミュニケーションをとっています。

現在、アストロスケールが挑戦していることとは?

 人工衛星は運用を終了すると、そのまま浮遊し宇宙ゴミになってしまいます。そこで現在は、運用を終了してしまった50〜数百kg級の大きな人工衛星を捕獲する「ELSA-d」の開発を行っています。ELSA-d_mockup(actual size)

「ELSA-d」

 「ELSA-d」は運用が終了した人工衛星を捕獲し、大気圏に突入させることを目標としています。最初は「ELSA-d」に搭載されている捕獲機と宇宙ゴミを模擬した人工衛星の二つを打ち上げて捕獲実証を行います。宇宙ゴミを模擬した人工衛星には、目印を予め取り付けて捕獲を試みます。

今後、ロケットや衛星のコスト低下に伴い、ロケットの打ち上げ機会が増加することが予測されます。ますます運用が終了した衛星の捕獲・除去は重要になってくるでしょう。

いかがでしたでしょうか?
次回では実際にアストロスケール では働く社員さんにインタビュー!
次回もお楽しみに!