【宇宙高校生】第二弾!守山高校ハビタブル研究会(前編)
長らくお待たせいたしました。宇宙高校生第二弾では、滋賀県立守山高等学校ハビタブル研究会さんに取材に行ってきました。彼女たちはある分野においてNASAにも引けをとらぬ活躍をしているスーパー高校生です! 取材に協力してくれたのはハビタブル研究会の藤田さん、稲垣さん、清水さん、前田さんと京都大学山敷教授です。
ハビタブル研究会とは?
守山高校はSGH(スーパーグローバルハイスクール)に指定され、「持続可能な社会の実現」をテーマに掲げたプロジェクトを実施しています。そのSGHの取り組みの一環として、京都大学の山敷庸亮教授が開発した系外惑星データベースExoKyotoに系外惑星のイメージ図の提供という形で協力しているのがハビタブル研究会です。今でこそ、その活躍をNASAからも認められているハビタブル研究会ですが、驚くことに始めからイメージ図を製作することを目的としていたわけではなく、今のような活動になったのは偶然の出会いによるものだそうです。
設立背景
始めは系外惑星データベースのデータ整理に貢献してもらうつもりだったと山敷教授は言います。ハビタブル研究会の初期メンバーである藤田さんも、データの整理を通してエクセルの扱いを身につけようとこのプログラムに参加しました。そのときに、藤田さんが美術部の部員でもあると聞いた山敷教授が系外惑星の絵を描かないかと持ち掛けたのが、ハビタブル研究会の始まりでした。それまで系外惑星のイメージ図は、誰も見たことが無いということもあり、全てNASAが製作しているという状況でした。そんな中NASAのプロフェッショナルに対抗して素人の高校生(美術部)が描くという面白味が強みとなり、ハビタブル研究会の絵はNASAからも絶賛されることとなったのです。
どうやって描いているの?
では、彼女たちは普段どのようにして系外惑星を描いているのでしょうか。まず山敷教授のいる京都大学へ赴き、系外惑星の基本について説明を受けます。そしてExoKyotoのデータベースで描こうとしている系外惑星の資料を調べ、イメージを膨らませます。そのようにして想像した系外惑星を実際にパソコンのツールを使って描いてみて、山敷教授に見せてコメントをもらい、また描くという作業を繰り返します。枚数を重ねることでより系外惑星への理解は深まります。そうしてデータベースに載せる絵が完成します。製作期間は、教授とのやり取りに基本2、3日、描くのは最短1日というから驚きです。「最初のころはやり取り自体が初めてなのでうまくいかなかったが、最近は求めている以上の絵を高校生が出してくれる」と山敷教授は嬉しそうに言います。
山敷教授より
高校生が描くことのメリットは、楽しんで描ける点にあります。例えば美大生も系外惑星の絵を上手に描くことはできるだろうが、仮にNASAに負けるとしても系外惑星について何も知らない状態から学び、吸収し、描くということを楽しめる高校生の方がより向いていると考えます。それなら他の高校にも広めるのかというと、そうではありません。今後は今の部員が引退、卒業し、新たな部員が増えます。そのときにどう高校生を繋ぎとめるのかが大切で、ほかの高校に声をかけるよりも、まずは守山高校を育てたいです。また、今後は惑星を増やすだけでなく、掘り下げて生物も描きたいと思います。
京大の先生とタッグを組んでNASAに挑むというハビタブル研究会の活動はとてもクリエイティブで挑戦的なもので、私が高校生のときにこういう活動に参加できたら、と羨ましい気持ちでいっぱいです。笑
宇宙高校生第二弾後半では、稲垣さん、清水さん、前田さんの三人に描いた絵の解説とともにそれぞれの系外惑星の魅力について語ってもらいました! ( 次回の更新は4/8です。お楽しみに!)