『ローバー』ってなに?~宇宙探査、期待の星~
みなさんは「ローバー」を知ってますか?ローバーはこれからの宇宙探査に欠かせないといわれています。では、そんなローバーについて紹介していきます!『ローバー』ってなに?
「ローバー(rover)」とは「惑星(衛星)探査車」のことです。ローバーには無人ローバーと有人ローバーの2種類があります。無人ローバーは、自動や遠隔操作で動く探査車です。人間の代わりに惑星や衛星を探査してくれます。有人ローバーは、人が乗って運転する探査車です。これは、アメリカが人類初の有人月面探査を成功させたアポロ計画(1961~1972)で、宇宙飛行士が月面での移動手段として使いました。アポロ計画以降、人類は有人探査を実施していません。そのため2018年現在、ローバーといえば無人ローバーを指すことが多いです。
▲火星探査機(無人ローバー)
Image Credit :NASA
▲月面探査車(有人ローバー)
Image Credit :NASA
無人ローバーはどんなことをしているの?
無人ローバーの目的は、膨大なデータを得ることです。人工衛星の観測で得られる画像からは、より詳細な情報が得られません。そのため、無人ローバーで直接惑星・衛星表面の土や石を調べることで詳細に解析します。人工衛星が上空から撮影できない洞窟や人間が行けない危険な場所でも、無人ローバーなら中に入って探査できます。
一方、無人ローバーは1日の活動範囲がとても狭いという課題があります。地球と惑星・衛星との間にはかなりの距離があるため、地球からの遠隔操作と無人ローバーの動きに時間差が生じてしまいます。これでは突然無人ローバーの前に穴や崖が現れても、地球からではすぐに対応できません。そのため、無人ローバーの速度を制限せざるを得ず、活動範囲が狭くなるのです。だからこそ、無人ローバー自身が即座に判断・対応できる優秀な自律制御機能の搭載が求められています。今日、無人ローバーは宇宙開発で注目を集めている分野のひとつです。
近い将来、有人探査が再開すれば、有人ローバーも復活して、無人ローバーと一緒に月や火星を駆け回る日が来るかもしれませんね。ローバーの今後の活躍に注目していきましょう!