折り紙が宇宙へ!―宇宙に咲く「ひまわり」
宇宙に咲くひまわりや宇宙と折り紙と聞いてどんなことを思い浮かべますか?
宇宙で育てられたひまわりがあるの?と思ったり、そもそも宇宙にひまわりなんて咲くわけないでしょ、なんて思ったり。また、宇宙と折り紙に何の関係があるの?と思うかもしれません。
実は、アメリカ航空宇宙局(NASA)は折り紙の要領で作った「ひまわり」を宇宙に咲かせようとしています。一体どういうことなのでしょうか。
宇宙に咲くひまわりの正体とは?
その「ひまわり」の正体はスターシェード計画と呼ばれる太陽系外惑星探査計画のシェーダーです。この計画は、地球に似た惑星を見つけるために進められています。
シェーダーとは恒星の強い光を遮るために使われる遮光板です。太陽を手で隠すと、強い光が遮られて周りが見やすくなります。同様にシェーダーで太陽系外の恒星を隠すと、その恒星の明るさによって直接見ることができなかった、恒星周囲の惑星を観測できるのです。
宇宙と折り紙の関係とは?
このシェーダーは直径約40メートルという野球場の内野と同じくらいの大きさがあります。このため、ただ折りたたむだけではロケットに搭載出来ません。また、打ち上げ後に宇宙でシェーダーを展開したときに絡まってしまうことも問題視されていました。これを解決したのが「折り紙」でした。折り紙は1枚の紙を折るだけで複雑な立体物を作り上げることが出来る、という特徴があります。この特徴をシェーダーの折りたたみ方に応用することでロケットに搭載可能となり、宇宙で展開した時に絡まる心配も無くなったのです。
折り紙の技術は今回紹介したプロジェクトだけに使われるわけではありません。人工衛星等の太陽光パネルの展開には折り紙の技術が欠かせないものとなっています。皆さん、折り紙を用意して自分の好きなように折ってみてください。もしかしたら将来、あなたが作った折り紙の折り方が宇宙開発に欠かせない技術となるかもしれませんね。