北海道に来る流氷、宇宙からも見ています
冬の北海道には、オホーツク海北部から流氷がやってきます。流氷を見てみたいと思った人は、いつ、どこで見られるのか気になるのではないでしょうか?私たちは宇宙から撮影された流氷の様子も見ることができるのです。
©第一管区海上保安本部海氷情報センター
1.リモートセンシングってなに?
リモートセンシングとは、離れた位置から対象を計測する技術のことです。人工衛星や航空機、ドローンなどに搭載されたセンサーによって様々なデータを得ることができます。中でも、人工衛星によって行なわれるリモートセンシングを衛星リモートセンシングと言います。気象に関するニュースで気象衛星が撮影した画像を見たことはありませんか?その画像も、衛星リモートセンシングによって得られたデータなのです。
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2.衛星から流氷を観測する
それでは、衛星リモートセンシングによる流氷の観測はどのように行なわれているのでしょうか。用いられる地球観測衛星には様々な種類のセンサーが搭載されています。流氷の観測には、一般的な写真のような画像を撮れる光学センサー、流氷から放射されるマイクロ波を計測するマイクロ波放射計などが使われています。これらのセンサーを持つ日本の地球観測衛星には「しきさい」や「ひまわり」などがあります。下の写真は、可視、近赤外、赤外と3種類のデータによって作成されたものです.オホーツク海に見える青色系の色が海氷を表しています。
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3.衛星による観測が観光にも役立つ?
このようにして得られたデータは気象庁の『海氷に関する診断表、予報、データ』やJAXA『オホーツク海の海氷分布』といったWebページで発表されています。誰でもアクセスできるようになっています。これらの情報は研究のためだけでなく、観光にも役立てられます。北海道旅行をする際に近くの海岸まで流氷が来ていることが分かれば、見に行くことができるかもしれません。みなさんもぜひ、冬の時期には衛星から見た流氷をチェックしてみてくださいね。
参考文献
・海氷に関する診断表、予報、データ
https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/shindan/index_seaice.html
・海氷解析に利用したデータについて
https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/db/seaice/knowledge/ice_data.html
・リモートセンシングとは?
https://www.restec.or.jp/knowledge/sensing/sensing-1.html
・デジタル台風:流氷情報と「ひまわり」衛星画像
http://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/sea_ice/
・海氷写真(2022海氷年)
https://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN1/drift_ice/photo/2022/220215.html
・地球観測衛星の種類
https://earth.jaxa.jp/ja/eo-knowledge/eosatellite-type/index.html
・気象庁 衛星画像に関する解説
https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/db/seaice/satellite/daily/ice_satellite_kaisetsu.html
・JAXA 打ち上げから5年目を迎える「しきさい」 ~雪氷環境編~
https://earth.jaxa.jp/ja/earthview/2022/09/05/7209/index.html
・第一管区海上保安本部海氷情報センター
https://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN1/1center.html
・気象衛星観測について
https://www.data.jma.go.jp/sat_info/himawari/satellite.html